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【必要の場をツクル設計事務所】-長尾アトリエ の 長尾 です。

重要文化財に指定された便所の話

昭和30年代を境に、合掌造りの"屋根の部分のみ"を地面に置いた、"(股建)マタダテ"論争は整理され、この頃を最後に、"マタダテ"研究は見られなくなります。

現在では、荻町の"野外博物館"で復元されていて災害などで家を失ったときに、復旧するまでの仮住いとして、白川郷でも建てられていた。。こと

合掌造りの建物は、"天地根元宮造り"が起源なのではなく、地元で考案されたもの(つまり、マタダテが起源)である。。と説明されています。

さて、白川村の"建物の話"で、もうひとつよく話題にのぼっていたのが、"便所"についてです。

合掌造りの"建物の紹介"では、"間取り"や"囲炉裏の様子"とともに必ず、"便所"について触れられています。

便所は、主屋から少し離れたところにあり、6帖位の大きさの建物を板壁で、ふたつに区切り、床に穴があいている構造で、冬の間のかきまぜ作業を経てためられた排泄物は、良い肥料として春に田畑にまかれた。。と、説明されます。

またこの便所では、トイレットペーパーの代わりに藁を使用していたのですが、藁を見た宿泊客が、いつの間にか、便所にきれいに切りそろえてある藁が、なくなってしまった。と、驚くことも多かったようで、今でも白川村では、便所と藁のことは良く語られるそうです。

下水道が通った現在では、当時の様子を、国の"重要文化財"に指定された合掌屋根の"和田家の便所"を見ながら想像することができるようです。


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