いつもありがとうございます。【必要の場をツクル設計事務所】-長尾アトリエ の 長尾 です。

トップダウンとボトムアップ

ヨーロッパの都市整備事業では、最初に整備対象地区に対する"設計競技"、いわゆる"コンペ"が行われ、計画進行の"中心人物"を選出し、("中心人物"="マスターアーキテクト")この"マスターアークテクト"が提示するプログラム案をもとに、計画概要が決定される場合が多いです。

このような方法を"マスターアーキテクト方式"といいます。

つまり、"トップダウン方式"ということです。

トップダウンと聞くと、"命令"といったような印象もありそうですが。。厳密には、日本の都市計画の場合、完全なトップダウン方式は難しく、様々な立場のヒトたちに"発言の場"が用意され、妥協点を落としどころにするケースが多いと思います。

このため、"つくばセンタービル"や"水戸芸術館"の設計でも知られる"磯崎新"さんは、現代日本の都市計画には限界がある。として都市からは手を引きました。(と記憶しています。。)

確かに、街のように大きな領域から、文房具のように手に収まるモノまで。。

何をツクルにしろ、全体のバランスを保つためには、多くの"意見"や"考え"の背景にある、忖度や圧力に屈しないで、シンプルなカタチに反映させる役割を担うヒトが、必要なのは確かだと思います。

そうでなければ、碁盤の目の"京都"や放射状の"パリの街"のように、分かりやすい街は、誕生していなかったのだと思います。

。。。といったようにトップダウン方式にも良い点があるのです。

地域を良く理解しているヒトたちにより、ゾーニングという手法で、歴史的な街の"保存"を行おうとすることは、一見、とても"理想的"に思えるのですが、実際には、なかなかうまくいきません。

これは、トップダウン方式に対し、国に価値を認めさせる"ボトムアップ"方式が前提になっているため、地域での"話し合い"での結論に頼るところが大きく、"話がまとまらない"といったことが、起こり易いからなのです。


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