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【必要の場をツクル設計事務所】-長尾アトリエ の 長尾 です。

大家族と労働

戦前の"民法"には、"家制度(いえせいど)"というものがありましたが、終戦を境に廃止され、"相続"に係る法律も大きく改定されることになります。

そのため、分家が急速に増加し、白川村の"大家族"は、消滅していくことになったのです。

それでも、時々"大家族の合掌造り"と紹介されるのは、大きな建物の説明材料として"大家族"というのが、分かり易いからなのだと思います。

さて、この大家族。別の角度から紹介された例もあります。

世界遺産となっている白川村"荻町"から10Kmほどの場所にある民族館(旧遠山家)。

この民族館のパンフレットに使われている写真と"同じもの"がある"経済学者"の"著作"に「飛騨国 白川村 大家族の図」として紹介されています。

この本は、"経済とは何か?""労働とは何か?""生産とは何か?"といった内容なのですが、遠山家はどのように切り取られたのか?

それは、原始時代からの"家族構成の変化"を扱っている章の中で、特徴的な例として、遠山家が取り上げられているようです。

内容としては、大家族制では"家長が権力"を持ち、その采配のもとに家のヒトが働き、報酬として、"食物"と"寝る場所"を与えられていた。といったもので、著者である経済学者により"資本制生産社会以上 の 労働略奪"として紹介されているのです。

つまり、生産社会の"資本家"によってのみ"労働力の搾取"が行われているのではなく、それよりも、"労働力の搾取"を行っている。。ということです。

結論としては、"資本制生産社会"よりも、徹底的に"労働力を搾取"している。として、「資本論」で知られるマルクスの"労働略奪説"に反論した紹介となっています。

いまから100年ほど前。執筆に伴い、この経済学者は遠山家に一泊したそうですが、遠山家のひとたちも、まさか、マルクスへの反論材料にされるとは思いもよらなかったのではないか。。。。と思います。


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