いつもありがとうございます。【必要の場をツクル設計事務所】-長尾アトリエ の 長尾 です。

変化していく保存の視点

1980年代に入ると"街並み保存運動"が多様化し、それまで見かけなかった"新しい視点"が、導入され始めます。

新しい視点とは。。ひとつ目が、以前の内容とダブりますが。。点から線、線から面の保存。

つまり、単体の建物"のみ"を対象とするのではなく、それに係る"全体"を対象とする。ということです。

ふたつ目は、保存と未来を同時に考える。

つまり、対象の文化財を単に"残す"のではなく、どんどん"活用して行こう!"。。ということです。

みっつ目が、"地域経済の活性"と"街並みの調和"の在り方をはっきりさせる。

つまり、"観光地"。としての取り組みです。

このため、保存活動を行っている各地での"見直し調査"では、主にこの"3視点"が、新たに取り入れられ、多様な考え方が生まれることになったのです。

いまでは、"フロー型社会"から"ストック型社会"へ移行する際、何を行うべきか?が。。広く社会で問われ始めていますが、"街並み保存"の世界では、ひとあし早く、平成に入いると、"何を保存する"から"どのように保存する"へ。

そして、"保存したものをどうやって使う"。といったように、対象自体に"価値がある"とする考えから"価値がある対象"の活用"計画"へと視点が拡大していったのです。

このような背景もあり、白川村にも"計画"の視点が持ち込まれます。

"計画"の視点が持ち込まれたことにより平成以前より大きく変化したのは、"景観全体"が対象となったことでした。

これは視点が、建物"単体を保存する"ことから景観の"維持管理"をどのように行っていくべきか。。に変わることであり、保存の"目的"を整理し、景観が変化してしまう"原因"を観察し、考察することで、景観保存の方向性を確立していくキッカケになっていくのでした。。


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