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アクロポリス

アクロポリスはギリシャ語で、高い丘の上の都市という意味で、古代ギリシャの都市国家では、敵の侵入を防ぐために、小高い丘の上に神殿や砦を築くことが多かったのです。

つまり、アテネのアクロポリスはその代表例ということになります。

このような都市のカタチはヨーロッパの都市づくりの原型となり、その後、各地で城塞都市として発展することとなります。

ちなみに、日本の城郭も同じような理由で、高台に建てられたり、周りに堀を巡らせていましたが、それぞれ異なる文化や歴史的背景の中で、発展してきたもののため特に、西欧からの直接的な影響は関係ないと考えられています。

パルテノン神殿の形

アテネのアクロポリスの丘にひとが住み始めたのは今から五千年前の石器時代にも関わらず、この地に建つ神殿は、古代ギリシャ建築の中で、最も美しいプロポーションを誇っています。

基壇・列柱・屋根からなる三層構造で、四角形と三角形の組み合わせを基本とする最もシンプルな構造美。

正面は八本の列柱で構成され、その上の三角形の破風と屋根によって生まれたフォルムは、天空への指向・永遠なる時間を象徴しています。

このような強い印象を受けるのには、理由があります。

それは、ひとの目の錯覚を補正し、美しさを際立たせるために、様々な工夫が凝らされているからなのです。

例えば、柱の中央部分は、エンタシスと呼ばれるわずかに膨らんだ形状になっているのですが、これは柱がまっすぐに見えるようにするための工夫です。

柱間隔も均等ではなく、端の柱の間隔を狭めることで、安定感のある印象を与えています。

さらに柱はまっすぐではなく、少しだけ内側に傾斜しているのですが、人間の目は、平行な線が遠くで交わるように見える性質があるらしく、柱を少し内側に傾けることで、実際よりもまっすぐに見えるようにしているようです。

床面も中央に向かってわずかに盛り上がっていて、このわずかな膨らみも視覚的な錯覚を修正するための工夫なのです。

床が完全に平らだと、実際よりもへこんで見えてしまうのを防ぐために、このような設計がされたと言われています。

変わらないこと

街の象徴であった神殿は、建設から約100年後に、ペルシャ軍によって破壊され、40年後の紀元前438年、アテネの政治家ペリクレスによって再建されます。

しかし1687年に、オスマン帝国の火薬庫として使われていた神殿が、ベネチア軍によって再び爆撃さてしまいます。

パルテノン神殿は、長い歴史の中で何度も修復され、そのたびに少しづつカタチが変わっているのですが、基本的な全体のバランスは造られた当時のまま、保たれているそうです。

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