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【必要の場をツクル設計事務所】-長尾アトリエ の 長尾 です。

タウトの残した言葉

現在、多くのヒトが共通して持つ、白川郷の印象には、少なからず"ブルーノ・タウト"が貢献しています。

例えば、"観光案内パンフレット"の冒頭に、"タウトの肖像"と一緒に"荻町"の写真が掲載されています。

実際は、御母衣の遠山家(現民俗資料館)止まりで、荻町には行ってなかったようです。。

遠山家を訪れたこともあって、昭和初期に発行されたタウトの著書には、"遠山家"と"オーストラリアの民家"の写真が、並べて掲載されています。

この本の中で、日本と欧州の"住居"は"似ていて、日本の農民は世界共通語を話さないけれど、住居を通して語っている。。。と、その"世界に通じる普遍性"を賞賛しています。

また、別の著書に「日本の美再発見」という本があるのですが、この中で、高山から自動車で白川村に入ったときに、

  • 自身が過去に見たことがない風景。
  • 深い谷に尖った屋根がはめこまれている景色が日本的ではない。
  • クリの木で白い花をつけているものもある。

と、背景に連なる雪山の風景も手伝い、ここで、"スイスの幻想"という印象を持つことになったと記述しています。

一方、日本らしいところで、宿泊した旅館では、周りがうるさく(宴会)寝付けなかったことや、駅舎や車の停車場が、"イマイチ"だともしています。

特に、遠山家(合掌つくり)の脇に建てられていた、郵便局は、下見板張り仕上で品良く造られていたのですが、ドイツ人のタウトには"イマイチ"だったようです。

宿泊中の土砂降りの雨でも一貫して合掌つくりは"西洋のつくりに匹敵する"として賞賛していたのですが、この地での日常や交通の"不便"さに、共感することはなかったようです。

このようなタウトが残した言葉の中で、この地を絶賛している部分だけが、"海外からみてもすばらしい"ことの証明として、引用されることになっていったのでした。。。


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