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ジョゼップ・マリア・ジュジョル

アントニ・ガウディには、「十二使徒」と呼ばれる弟子たちがいたと言われ、その中でも、右腕として活躍したのがジョゼップ・マリア・ジュジョルです。

ジュジョルはガウディとともに、あの有機的な曲線で知られる集合住宅、カサ・ミラやカサ・バトリョ、そしてグエル公園など、歴史的傑作の創造に関わりました。

それらの多くは、いまや世界遺産に登録されています。

そんな名作群のひとつに、バルセロナから北西へ約60km、霊峰モンセラットの地にモンセラット礼拝堂があります。

この礼拝堂は、ガウディが亡くなった1926年に着工したのですが、資金難やスペイン内戦の影響により、工事は長いあいだ中断されます。

着工から60年が経った1980年代後半、そこにはカテナリー曲線(両端を固定して垂らした紐が自然に描く曲線)によるヴォールトが一層積まれているだけのまるで廃墟のような姿だったといいます。

転機が訪れたのは、バルセロナでのオリンピック開催決定でした。

1986年に1992年大会の開催地として選ばれたことをきっかけに、政府の支援も得て工事は再開。

こうして着工から66年、ついに完成へとたどり着きます。

それはジュジョルの死から43年後のことでした。

モンセラット礼拝堂

礼拝堂内部は、カタルーニャの聖山モンセラットに向かうように配置され、モレネッタの愛称で親しまれる「黒の聖母像」を祀る祭壇を備えています。

建設に使われたコンクリートブロックは、コストを抑えるためジュジョル独自の方法で現場製作されました。

そのブロックを用い、カテナリー曲線を応用した構造によって、大きな「X」を描く二重ドームが形づくられています。

合理性と独創性をあわせ持つこの構造は、ガウディの思想を受け継ぎながらも、さらに発展させたものとなっています。

そして現在も建設が続くサグラダ・ファミリアでは、ガウディ没後100年にあたる2026年、キリストの塔の完成が予定されています。

バルセロナの街ではいまもなお、過去の思想を未来へとつなぐ再解釈と再生の建築が、静かにそして確実に進み続けているのです。

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