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グリッド都市計画
スペイン・バルセロナと聞くと、多くの人がガウディ建築やサグラダ・ファミリアを思い浮かべるかもしれません。
しかし、この美しい都市の骨格をつくった人物として忘れてはならないのが、土木技師のイデフォンソ・セルダです。
現在のバルセロナは、上空から見ると碁盤の目のような整然とした街並みが広がっています。
この都市構造は、セルダが19世紀半ばに提案した「エンサンチェ計画(都市拡張計画)」によって生まれました。
中世都市から近代都市へ
1859年当時のバルセロナは、城壁に囲まれた窮屈な中世都市でした。
産業革命による人口増加に対応するため、セルダは城壁を撤去し、その外側に新しい街を計画します。
パリの都市改造と同じように歴史ある旧市街を残しながら、その周囲に近代的な新市街を整備するという壮大な構想でした。
グリッド都市の知恵
セルダが描いた新市街の特徴は、規則正しいグリッド(格子状)の街区です。
この発想の背景には、スペインが新大陸発見以降に数多く築いてきた植民地都市があります。
1573年に発令されたフェリペ2世の勅令では、中央広場を中心とした計画的な街づくりのルールが定められていました。
さらにその源流をたどると、古代ローマの建築理論書『建築十書』に行き着きます。
ルネサンス期に建築家アルベルティらによって再評価され、西欧の都市計画や建築思想に大きな影響を与えました。
都市の基盤を支えたインフラ整備
セルダは単に道路を引いただけではありません。
まず整備されたのは、東側のベソス川沿いに建設された高さ63mのレンガ造貯水塔を中心とする上下水道網でした。
これにより近代都市として不可欠なインフラが整えられます。
その後、市庁舎や学校、公園、市場、教会などの公共施設が計画的に配置され、現在のバルセロナの都市基盤が形成されていきました。
都市の中心となる二つの軸
セルダは大学と市民広場を都市の最重要拠点と考えました。
旧市街と新市街の境界に配置されたバルセロナ大学広場を起点に、東西へ延びるグラン・ビア大通りが都市のX軸となります。
一方、カタルーニャ広場から北へ伸びるグラシア大通りがY軸です。
この二つの大通りが交わる場所こそ、現代バルセロナの原点ともいえる地点なのです。
