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数学的な美しさ

バルセロナの整然とした街並みは、「マンサーナ」と呼ばれるグリッド状の街区によって形づくられています。

この都市計画は当初、旧市街の幅約2kmを基準に構想され、約130mの四角形を基本単位として設計されました。

さらに道路幅を約20m確保することで、実際には約100m四方の街区が連続する構成となりました。

規則正しく並ぶ街区が東西南北へ広がることで、現在のバルセロナならではの美しい都市景観が生まれたのです。

都市を斜めに貫く大胆な構想

土木技師セルダの都市計画の魅力は、単なる碁盤の目の街並みにとどまりません。

西のサリア地区から地中海へ向かって伸びる「ディアゴナル大通り」、北東方向へ延びる「メリディアナ大通り」を配置し、それらを東西軸の「グラン・ビア大通り」と交差させました。

その交点として計画されたのがグロリアス広場です。

まるで都市の血流が集まる心臓部のように、人や交通、活動が集中する重要な結節点として機能しています。

直線的なグリッドの中に斜めの大通りを組み込む発想は、今見ても非常に先進的です。

美しいスカイラインを守る都市

バルセロナでは、街並みの美しさを守るために、建物の高さにも配慮がなされてきました。

その基準の一つとなったのが、1992年オリンピックの開会式会場になった標高約180mのモンジュイックの丘です。

都市景観は、この丘を超えないことを意識しながらコントロールされてきました。

地中海の玄関口として建設されたツインタワーも高さ154mに抑えられ、街全体の美しいシルエットが保たれています。

個々の建築だけでなく、都市全体をひとつの景観として考える姿勢が、バルセロナの魅力を支えているのです。

21世紀へ続くセルダの都市計画

セルダが描いた都市のビジョンは、150年以上を経た今もなお進化を続けています。

2004年にはディアゴナル大通りがついに地中海まで開通し、それを記念して「バルセロナ・フォーラム」が開催されました。

さらにグロリアス広場には、建築家ジャン・ヌーヴェルが設計したアグバルタワーが誕生します。

ガウディ建築へのオマージュともいわれるその姿は、現代のバルセロナを象徴する新たなランドマークとなりました。

そして2026年、ガウディ没後100年の節目に合わせて、172.5mのサグラダ・ファミリアのキリストの塔が完成しました。

ガウディ建築に目を奪われがちなバルセロナですが、その背景にはセルダが描いた壮大な都市計画があります。

そこには、150年以上前に描かれた未来都市の姿が、今なお息づいているのです。

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