いつもありがとうございます。【必要の場をツクル設計事務所】-長尾アトリエ の 長尾 です。

ソフトとしての建築物

"目を閉じて、何を見よう。"という"キャッチコピー"とともに昭和40年代中頃から始まった、観光地ではないどこでもない"場所"。。を旅する。

"日本の魅力再発見=ディスカバージャパン"。

ちょうど同じ時期に、保存・観光にむけて動き出した"白川郷"は、このキャンペーンの対象として、格好の場所でした。

この時、観光対象として宣伝されていたのは、"五箇山"や"どぶろく祭り"などが中心で、"合掌造りの建物"や"集落景観"といったものは、対象とはされていませんでした。しかし、実際に訪れてみると。。"魅了される"。

といったように。。

白川郷にとっては、別のところで結果に結びついたのでした。

実はいま、このような"心の動き"を逆手にとる積極的な街の"再生"が行われ始めています。丹下健三氏の手がけた、広島平和記念資料館のようにその場所を訪れる"誰もが"、今という"時間"が、"過去"と"未来"の一直線上にあると認識する。

といった"優れた建築"は、昔から存在するのですが、このような場合、"客の増加"や"街の活性化"をねらって造った訳ではありません。

いま始まっているのは、建築物自体の"立ち位置"を変える。といったことです。

一般的に"ハード"とは、建築物、機械、道具などのカタチの"有る"もの。

コレに対し"ソフト"とは、人材教育や意識、情報などのカタチの"無い"もの。

として、認識しているヒトは多いと思います。

つまり、建物(器)="ハード"で、建物に出店する飲食店が、集客のために、"人気メニュー"を考えたり効率的な"宣伝方法"試してみたりする運営="ソフト"といったところだと思います。

しかし昨今の、"グッゲンハイム美術館"や"ルーブル美術館"などは、すでに、"街"を"ハード"と見立て、"美術館(建物)自体"を"ソフト"として扱うことで、"危険"で"未来がない"とまで呼ばれる重化学工業地域の"跡地"の"再生"にも成功しています。

つまり、美術館としての器(ハード)を造り、常設展、企画展(ソフト)を行っていれば集客はできる。。ではなく、この美術館がある街に、住んでいることを誇りに思う。。

この美術館に、訪れてみたい。。と地域のヒト・地域外のヒトに思わせている。。ということです。

計算上、"負の遺産"となると決め付けられ、とん挫した、ザハ案の"新国立競技場"。

もし採用されていたら、何かが大きく変わっていたかもしれません。。


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