いつもありがとうございます。【必要の場をツクル設計事務所】-長尾アトリエ の 長尾 です。
ゾーニングによる街並み保存
時間の経過とともに、白川郷の歴史的"街並みの保存"は、"合掌造りの建物のみ"を保存する"視点"から街並みに関わる環境までも含めた"全体"を保存しようとする"集落観点"に移行していきます。
この"集落観点での保存"を実現するため、例えば、
- ここは歴史上重要な場所なので保存地区に含める。
- この場所は、出来るだけ田畑や空地を確保する。
といった、具体的な保存対象を区分けするゾーニングという手法が、取り入れられることになるのですが、残念ながらこの方法での保存は、実現することはありませんでした。。
視点は広がり、良い方向に向かっているはずが、なぜ?実現しないのでしょうか?
今でも、ゾーニングにより保存区域ごとに"規制の強弱"をつけてはどうか。。などと、コトの節目で話題に上るそうです。
"規制の強弱"とは。。合掌造りの建物が沢山あり、観光客が多く訪れるところは、細かく、厳しい規則に。
一方地域の端で、観光客もあまりこない場所は、緩やかな規制に。といったことです。
このような区別のため、厳しい規制区域の住人にとっては「場所によって厳しさが違うのは不公平だ。」という思いがあるらしく。。
結局"意見がまとまる"ことはなく、なかなか、実現に至らないようなのです。。。
ここまでを見てみると、納得してしまいそうですが、実現しないのには、他にも理由がありそうです。。。
都市の整備をする際、"マスターアーキテクト方式"というものがあります。
これは、広い領域での"住環境を整備"する際に使われるデザインコントロール手法のひとつです。
この手法は、戦後復興のための"都市整備事業"の中心に現在のUR都市機構の前身である"公団"が存在した時に、多く見られました。
どのような手法かと言いますと、"デザインコード"や"ガイドライン"などを中心軸として設定し、整備領域全体のデザインを規定していくのですが、この中心にいるたった"ひとりの人物"のことを"マスターアーキテクト(中心の建築家)"と呼びます。
そして、ゾーニングによって決められた"各領域の計画者"を"ブロックアーキテクト"と呼び、"土地利用"方法から"街路空間のイメージ"、各建物の"配置、高さ、用途、ファサードデザイン"。。。。に至るまで、まとまりのある街の創造を行っていきます。。
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