いつもありがとうございます。【必要の場をツクル設計事務所】-長尾アトリエ の 長尾 です。
全国の"町並み保存"活動の場
NPO法人"全国町並み保存連盟"という団体があります。最初は、
- 長野県"妻籠宿"。
- 奈良県"今井町"。
- 愛知県"有松町"。
の3つの"保存団体"が、連帯したことから始まるのですが、実は、白川郷"合掌造り保存"のための民間団体、"白川郷荻町集落の自然環境を守る会"は、設立時、"妻籠宿"にならって結成されたのでした。
ちなみに"妻籠宿"とは、江戸時代の五街道のひとつである"中山道(木曾街道)"の"42番目の宿場"のことです。
この場所は、戦後の経済成長に伴い、全国の伝統的な町並みが消えていく中、積極的に地域を挙げて景観保全活動に取り組んでいました。
そのことが評価され、1976年、国の"重要伝統的建造物群保存地区"の最初の選定地の1つに選ばれます。
さて、白川郷の"合掌造り保存"ですが、最初、住民主体で進行され、1971年に発足の憲章(取り決め)では、"売らない、貸さない、壊さない"という原則を軸とし、現在までも保存運動に大きな影響を与え続けています。
そしてこの3原則こそ、"妻籠宿"の保存原則から学んだ規則だったのです。
そのため当初は、保存会のメンバーが、"移築""改築""取り壊し"などを検討している"各戸"を説得するために飛び回っていました。
そんな中、保存対象が、個々の"合掌造りの建物"でなく、かたまりとしての"集落景観"へと移行しだしたのもこの時期でした。この頃のことを紹介した「日本の民家」という本での合掌造りの説明では
- 主屋以外の付属建物が少ない
- 屋敷林がほとんどない
- 水田が軒下まで作られている
ことなど"集落景観"が紹介されています。
このような"集落景観"の特徴が生まれたのは、荻街が"保存運動"によってまとまったとしています。
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