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伝統的集落の保木脇
現在"白川郷"として注目を集めている白川村"荻町"。
この"荻町"は、世界遺産には、"白川郷・五箇山の合掌造りの集落"という名前で、登録されており、岐阜県でも"北部"の、富山県・石川県との県境に位置しています。
ここから南へ"約10km"ほどの場所に、"保木脇"という地域があります。
実は、荻町が"白川郷の集落"として注目され始めたのは、昭和期の終わり頃になってからで、それまでは、"保木脇"という地域が、大きく取り上げられていました。
例えば、建築専門誌などでは、眼下に緩い傾斜面が開けて、部落が一望の中に展開する"保木脇"。
合掌造りの大屋根が3戸、石置(いしおき)屋根が1戸、前後に付属の倉庫が数棟、その間を田畑が"不規則"に仕切られている。。。と、保木脇を"典型的な部落"として紹介していました。
一方"荻町"は、明快な合掌造りが、東西に均しく向きそろえて並んでいる様子は、大波小波の寄せる壮観。。。と、"密集部落の代表"として紹介されていました。
つまり、保木脇は、良く見る集落形態。荻町は、例外的な集落形態。ということです。
そして保木脇の景観特徴として、建物の周囲に屋敷林がない様子。
大部分は、道路面と同じ高さに建物が建っているが、川沿いでは、石垣の上に建物の敷地がある様子。などが、写真で紹介されていました。
村全域の調査を行った建築史家によると、保木脇は、巨大な家屋が軒を接して建ち並び、浮世離れした不思議な調和を示している。とし、荻町は、比較的広い平地に、大小さまざまの三角形の屋根が、少しばかり行儀の悪い形に配列されている。としています。
約10kmほどしか離れていない地域なのに、ここまで違う印象になるのは、現在の"区画整理"先行での街づくりとは異なり、環境やヒトなど"村自体"の基本的な性格に、違いがあったのかもしれません。
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