いつもありがとうございます。【必要の場をツクル設計事務所】-長尾アトリエ の 長尾 です。
旅先での見る対象の変化
戦前、観光資源の代表であった"白水の瀧"。
"バルブでの水量調整"という1点を除いて、いまでも、江戸時代から変わらない姿を見せてくれます。明治の頃までは、ガイドブックなどで白水の瀧"そのもの"が名所として紹介されていたのですが、その後徐々に、"白山"の一部として扱われるようになっていきます。
これは、旅先で見る"対象"に、大きな変化が2回あったとされているいるうちの"最初の変化"にあたります。
つまり、"松島"や"天橋立"のような江戸期以前から"名勝"と呼ばれていた"場所"に加え、日本アルプスのような"雄大な自然風景"までに広がったとされている"1度目の変化"のことです。
でも、なぜ変化したのか?
白水の瀧の場合、"白山"が昭和30年代に"国立公園"に指定され、"瀧"より"山"のほうが、知名度があがったことが背景にあり、"瀧"という観光資源が、"名所"から"自然風景の一部"へ吸収された。と。。考えられています。
このような"流れ"を眺めてみると、1度目の変化は、旅をする個人の"自発的な興味"の変化ではなく、むしろ、国策であったり、それを宣伝する媒体であったりと、"社会的な理由"が先行していることが分かります。
しかし、その"白山"もいまでは、"世界遺産 白川郷・五箇山の合掌造り集落"という大きな看板の影に隠れてしまっています。
この出来事は、旅先での見る"対象"が"自然風景"から"生活風景"へと移行した
2度目の変化を指していますが、ひとつの地域でこれほど分かり易い変化を許容できるのは、白川郷が、多様な観光資源をたくさん抱えているからなのだと思います。
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