いつもありがとうございます。【必要の場をツクル設計事務所】-長尾アトリエ の 長尾 です。
現在、完成形を視覚化することで、そこにたどり着くためのより良い道筋が見えてくるのではないかと考え、モノづくりを「3Dモデリングから始める」試みを行っております。ご興味ある方は下記リンクよりご覧になってみてください。
元気なうちの空き家対策
実現可能な対策モデルの二つ目が、その行く末を自ら決める元気なうちの空き家対策です。
しかし、自分の住まいの行末を元気なうちに決めたいと思っても、ほとんどの人がどう行動すればよいのか分からないのが実情です。
遺言や後見なら弁護士、家族信託なら司法書士、生前贈与や相続税対策なら税理士、リフォームやリノベーションなら建築士、建物の売買なら宅建士などと、「士業」と呼ばれる専門家制度は、法で規定された多様な社会制度ごとに、国家資格の「○○士」が存在します。
しかし、何となくは分かっていても、自分の終活と住まいの終活を行うための最良の組み合わせを見出すのはとても難しく、従来の社会システムを横断的に使いこなせる専門家が求められています。
複数分野の専門家が、ワンストッフで最良の選択という大きな社会課題に貢献する相談事業が各地に必要になってくることが予想されます。
街育てとの一体的推進
三つ目が、地域で行う街育てと空き家対策の一体的推進です。
住宅地を次の世代に引き継ぐ取り組みは、個々の空き家対策の積み重ねだけでは難しく、住宅地全体の魅力やエリア価値の維持向上を含む住宅地マネジメントが必要となりつつあります。
これまでは、戸建住宅が整然と建ち並び、良好な住環境を脅かすものを排除して、住環境の維持を図ってきた、均質的禁止型住宅街づくりでした。
しかしこれからは、良好な住環境を維持しつつも、暮らしや福祉に必要な建物用途を許容した、多様性のある街づくりへ変化することが必要になってきます。
そして、住民のライフステージに応じて、柔軟に住み替えや転出入が出来るような仕組みなど、住宅地全体のハードとソフトについての管理システムを住宅地が受け入れることができるかが、持続可能な街の分岐点となってきます。
これからの郊外戸建住宅地は、良好な居住環境と交通環境などの適度な利便性という街の魅力の維持向上を図りながら、多様なライフスタイルを認め合い、地域全体で持続的な土地建物の管理システムを受け入れなければならなくなることが予想されます。
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