いつもありがとうございます。【必要の場をツクル設計事務所】-長尾アトリエ の 長尾 です。
現在、完成形を視覚化することで、そこにたどり着くためのより良い道筋が見えてくるのではないかと考え、モノづくりを「3Dモデリングから始める」試みを行っております。ご興味ある方は下記リンクよりご覧になってみてください。

住宅地の空き地への取り組み

人口減少による空き家の問題と平行して生まれる課題が、住宅地の空き地の増加です。

空き地を放置するのではなく、住宅地を豊かにする地域資源として、どのように活用するかが課題になってきます。

郊外の住宅地では、居住者と住宅数の減少とともに高齢化も進行していくため、これらの条件を含めた空き地対策が求められます。

目指すところとしては、随時増加が予想される空き地所有者と地元の街づくり組織が連携して、

  • 空き地も良好な住環境を形成するひとつの要因として、潜在価値を具体化。
  • 所有者とまちづくり組織が連携して、具体的な共同利用の実施。
  • 従来の固定的な利用だけではなく、柔軟可変的な土地利用によるマネジメントを実施。

などが必要だと考えられます。

これは、利用意図のない空き地の放置をなくし、暮らしを豊かにするもの(生活空き地)として認識することで、空き地には必ずお店住宅が建つといった視点だけではなく、街づくり協議会などの互助組織がもつ新しい視点から具体的な対策を生み出すことを意味しています。

空き地の放置=住宅地価値の低下ではなく、生活空き地 =住宅地価値を高めるものとしての実践となります。

住み継がれる住宅地の基本要件

人が減り、空き家が増える中、これからの住宅地がその魅力を保つために何が必要か。

ひとつめの考え方は、計画的に実施される従来型の住宅地の進化型です。

住民の高齢化と住宅の経年劣化が進む中、住宅地に道路や公園等の都市基盤が整い、地区計画等により良好な住環境が維持形成され、自治会などのコミュニティ活動が育まれている住宅地は、適度な新陳代謝を繰り返しながら持続的に住み継がれるべき住宅地です。

そのためには、生活基盤と良好な環境を維持しつつ、多様性を認め合いながら、土地利用密度を低くして、住まいと緑地・農園等が融合する田園住宅地を目指すことなどが考えられます。

つまり、狭い土地一杯に住宅を建てるのではなく、周辺を含めた街全体の住環境を整えるということです。

もうひとつの考え方は、非計画的な住宅地についてです。

高度成長期に良く見られた、生活基盤等が未整備の場所に無秩序に広げられた住宅地などは、優先的に維持する必要はないため計画住宅地への移転住み替えの誘導などを行い、賢くたたんでいくことです。

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