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【必要の場をツクル設計事務所】-長尾アトリエ の 長尾 です。
良好な景観を維持する難しさ
世界遺産登録が現実的になってからの富岡製糸場。
工場周辺の緩衝地域(バッファーゾーン)を整備する際、ひとつひとつの"建物"がもつ、歴史を伴った"個性・特色"を生かすために、"通り"を単位として、"景観形成協定"を結ぶことになります。
その際、バッファーゾーンに"土地や建物"を所有するヒトが、協定に参加すれば、改修工事に補助金がでるのですが、"参加・不参加"は、自由です。
さて、検討会ではまず、
- それぞれの"通り”の特色
- 所有者自身と協定との関係
- 観光客に対して何ができるのか
などが、話し合われることとなるのですが、景観形成に"積極的"に取り組むことで、"経済効果が見込める"ことから比較的"商店が多い通り"から協定が結ばれ始めます。
一方、"住宅が多い通り"では、改修をしたところで、"経済効果"や"他の利点"がなく消極的になりがちです。もともと、「市街地に観光客を受け入れる。」という発想を"もっていなかった"富岡市は、
- 進め方
- 方針決め
など、全てが分からないため、他の観光地から整備の仕方を学ぶこととなり、このような学の中から、コンセプトとしたのは、製糸場の創業が、明治5年に始まることことに"ちなみ"、
- 歴史と文化を感じさせる街並み
- 古き良き時代をしのばせる街並み
- 親しみと懐かしさを感じるまちなみ
と、どこかで聞いたことのあるような内容となります。
しかし、耳障りが良く、誰が見ても正しい方針というのは、実際に、具現化することはとても難しいのです。
そこで登場するのが、以前配信しました。。。
- ドイツのIBAエムシャーパーク構想
- イタリア・イブレアの近代建築群の保存活動
でも採用された、"ガイドライン"の適用です。
つまり、"抽象的な方針"を"具体的な方法"に置き換える。ということです。そして富岡市の場合は、
- 木造瓦葺
- 塗り壁基調
- 道路に面する軒先を覆うパラペットの撤去
- アルミサッシに格子を取り付ける
などの、竣工当時の外観に戻すような具体的な方法が取り決められることになるのです。
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