いつもありがとうございます。必要の場をツクル設計事務所-長尾アトリエ の 長尾 です。

現在行っている、場所づくりの新たな試みは下記よりご覧になってみてください。

4つのモデリングコース

小千谷市東山地の再建

2004年に発生した新潟県中越地震。

山古志村(震災後に長岡市と合併)では、村から遠く離れた場所の仮設住宅で、避難生活をすることになります。

同じ時、山古志村の西側に隣接し、似た環境を有していた小千谷市東山地区でも同じような被害を受けていました。

この地区の場合、小千谷市による災害時の集団移転事業によって避難し、市街地の移転用地で再建が図られます。

しかし、東日本大震災の被災地で進められたように、津波浸水地域に広域的に災害対策を設定して、安全な高台への移転を図るというものではありませんでした。

この地域は特別措置法で定められた特別豪雪地域で、毎年2mを越える積雪があり、冬期間の暮らしは除雪作業無しでは成り立ちません。

また、人口減少による小学校の統廃合が進んでいるだけでなく、公共交通機関もほぼ機能していません。

このため実質的には、高齢化、通学や通勤の利便性を考慮し、住宅の再建を高台で行いたいと希望する世帯への間接的な移転支援として行われている再建でした。

結果として、被害が比較的軽微で修復があまり難しくない世帯や、養鯉業などを営んでいるためこの場所を離れないほうが良い世帯などが、従前地での生活再建を果たすことになります。

必然だった人口減少

一方、集団移転についてこの東山地区の場合、8集落中の6集落が50%未満での移転で、その中の小高集落が約70%での移転、十二平集落では、残留ゼロの全世帯で移転再建を行いました。

しかし、震災から5年が経過した時点で、世帯数が約半数まで減少しています。

これは必然なのかもしれませんが、震災がなく人口減少が緩やかに進んでいった場合と震災後の人口減少の推移を比較すると、どちらも2025年頃の予測値でほぼ一致しています。

自然災害は、その地域がもともと抱えていた課題が表面化すると言われますが、このような現象は、偶然に、山間地域で過疎が進んでいたから起こったのではなく、全国各地の何処ででも、今後起こり得ると考えられます。

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