いつもありがとうございます。【必要の場をツクル設計事務所】-長尾アトリエ の 長尾 です。

舵の切り方

人口減少に伴い様々な場面で、いままでとは違う選択が求められるようになります。

その時、どのように舵を切ればよいのか。

まず、コンパクトシティ+ネットワークを目指すことで街のスリム化が必要になってきます。

しかし、ダイエットであれば自分の意思で、贅肉を落とすことができますが、空き家問題にも見えるように、実際の街には多くの住宅があり、その住宅には所有者意思があるため街のボリュームをスリムにするのは中々難しいのです。

たとえ、自治体が「コンパクトシティ」を掲げても、即座に住宅を移すということは起きません。

多くの人は、何らかの節目にあわせて住宅を建て替えたり、住み替えたりします。

街をスリムにするには、この節目のタイミングでの実施になるため、20年や30年というスパンになってしまいます。

このため街のスリム化は、少ないチャンスでの実施となります。

骨格と拠点

一方、都市の骨格拠点活用することは、それほど難しくありません。

それは、人口増加のこの150年間で、高密度な道路鉄道ネットワークをつくったため、活用する準備が整っているからです。

この道路鉄道交通のあり方を変えるだけで、都市の骨格は柔軟に活用することができます。

例えば、

  • 短期的に高齢率があがる住宅地に重点的にバス路線を配する。
  • 日替わりでバス停の位置を変える。
  • 長い距離を歩けない高齢者をつなぐようにオンデマンドでバスを走らせる。

のような、状況やニーズにあわせて骨格の活用方法を変化させることは、それほど難しくありません。

また、

  • 建物をリノベーションして用途を柔軟に変更する。
  • 建物のコストを下げ、すぐにつくれて、すぐに壊せる。

ことなども技術的に可能ですし、

  • 小学校を福祉施設にする。
  • コミュニテイセンターを図書館にする。
  • 空き家を地域の拠点にする。

などの用途変更も可能です。

このように、街のスリム化ゆっくりとしかできませんが、骨格拠点迅速に変化させることができます。

これからコンパクトシティ+ネットワークを目指すためには、街のボリュームを管理しながら、骨格拠点を柔軟に変化させていくことが大事になってくると考えられます。

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