いつもありがとうございます。【必要の場をツクル設計事務所】-長尾アトリエ の 長尾 です。
現在、完成形を視覚化することで、そこにたどり着くためのより良い道筋が見えてくるのではないかと考え、モノづくりを「3Dモデリングから始める」試みを行っております。ご興味ある方は下記リンクよりご覧になってみてください。
人口減少時代の始まり
日本の人口は2008年をピークに減少に転じ、いわゆる人口減少時代が始まりました。
しかし、今日から人口が減り始めたと報道された訳でもなく、減少が始まって10年以上が経った今でも、人口減少の実感を持っている人は少ないと思われます。
考えてみれば当たり前のことですが、日本全体の人口が減り始めたといえ、その様子は全国均一ではなく、現在でも人口増加している市町村もあれば、2008年よりも以前から人口が減り続けている市町村も多くあります。
さらに例えば、全体として人口が増えている市町村をもっと小さな地域に分けてみると、増えている地域と減っている地域がモザイク状に顔を出すことになります。
つまり、実感としては人口増加も減少も、常に経験してきているということです。
人口が減少すると、街づくりの目標やそれを実現するための方法を変化させないといけないと言われています。
しかし、急いで変化させることはとても難しいことです。
実際には、人口減少をうまく実感できていなく、何を手掛かりに、何を目標に、どの位の速さで変化すれば良いのか分かっていませんでした。
そして人ロ減少が始まって10年以上が経ち、試行錯誤しながら最適な変化のさせ方が、だんだん理解でき始めている状態にあるのではないか思います。
人口と都市の関係
少し長い目で人口と都市空間の関係を見てみます。
2008年のピーク時の人口は約1億3千万人でしたが、江戸時代末期の人口は約3千万人であったと言われています。
つまり明治維新以来の約150年間で約1億人の人口が増えたことになり、新たに1億人が暮らすことができる都市をつくってきたということです。
人口の増加にあわせて都市空間は広がっていきますが、その過程で増えた人口の分だけ、調和のとれた都市空間が増えていくのであれば、都市計画や街づくりは不要です。
しかし実際には、都市に集中する人口増加の速度に、街の整備が追いつかず、人口に対して都市空間が不足するという過密状態が各地で発生するのでした。
過密は伝染病、災害に対する脆弱性など、様々な都市問題を生み出すため、それを発生させないために、都市計画や街づくりでは、道路や公園をつくり続けてきました。
そして 150年かけて、日本の都市計画はこの過密の問題をなんとか押さえ込んできたのでした。
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