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江戸時代「JINー仁」2000年

JINー仁が描かれたのは江戸時代です。

TBSでもドラマが放送された原作ですが、南方仁が居候した橘家は、無役の旗本である小普請(こぶしん)組です。

それほど階級は高くないものの湯殿(風呂)まである武家屋敷に暮らしています。

恐らく代々の橘家当主が素晴らしい人で、多くの支援者がいたのだと考えられます。

武家屋敷

まず、古い街並でいまでも見かけることがある長屋門ですが、話の中では、門の片袖にのみに部屋があります。

本来は門の両袖に部屋があるのが一般的ですが、この長屋門に居候するが、2つのどちらに住んでいるか分かり易くするため片袖となったそうです。

では、長屋門をくぐり玄関へいきます。

この玄関は橘家より身分、格式の高いお客様しか使えないしきたりとなっていて、家族や使用人、低い身分の者は横の土間から出入りします。

玄関には客が槍や刀を置く槍床や、お付きの者が控える式台があり、そこから広い奥座敷につづいています。

藩によっては身分で禁止される場合もある床の間も設置されています。

そして脇には客専用の厠(便所)もあり、この家の厠の中で一番よい場所に設けられています。

座敷と居間の間には、次の間があり、この(ま)によって、座敷に日常感が伝わらない配慮がなされています。

日常を過ごす居住領域には、土間、茶の間、納戸、居間があります。

特に居間の用途は、寝室書斎橘家より身分の低い者の客間を兼ねており、橘家の主人が存命だった時には、家族4人で使用するには狭く、当然個室なども無く、フライバシーも無い状態でした。

そもそも江戸時代では、幕府による参勤交代の強制などで、藩のチカラを低下させ、秩序を維持することで身分制度を確立し、街の中での居住領域もこの身分制度により決められていました。

このため武家屋敷では、家族の生活の場という意識は低く、客をもてなすため、主人の威厳を示すための空間という性格が強い間取りとなります。

また橘家では、室内で振り回せるように天井が高い造りになっていますが、これは平和の世になる前のカタチが残ったものと考えられます。

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