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大正から昭和「サザ工さん」1946年

サザエさんが描かれている時代は、戦前から戦後にかけての東京です。

戦前までは明治・大正の間取りと大きな変化はなく、戦後間もなくの都市部は多くの家屋が焼失してしまったため、バラック小屋に住む人や故郷へ帰る人が多かったでようです。

この頃磯野家は、福岡県に住んでいました。

戦後間もないにもかかわらす、その生活は裕福で、町内会の人たちが継当ての服を着て配給を受けている時、フネさんは和服に割烹着、サザエさんは、白いブラウスと黒いスカートに、エプロンをつけたキッチリとした姿でお手伝いをしています。

立派な家には、ミシン蓄音機があり、たびたび軍服姿の米兵が訪れ、波平さんと記念写真を撮影していますが、福岡時代の波平さんの仕事とはいったい?

その後、磯野家は急に東京に引っ越すのですが、これは、作者の長谷川町子さんに関係がありそうです。

長谷川町子さん

子供の頃、福岡に住んでいた長谷川さんは、教育のため家族で上京するのですが、戦争が始まり、福岡へ疎開することとなります。

終戦後、もともと天才少女として漫画家デビューをしていた長谷川さんに、地方紙の夕刊に4コマ漫画の連載の依頼があるのですが、これがサザエさんの始まりです。

その後、東京の出版社から仕事依頼があり、福岡には戻らないことを決意し、再び上京することとなります。

そして上京前に一旦終了していたサザエさんの連載が、続編というカタチで再度依頼があり、長谷川さんとともに磯野家も(恐らくですが。)上京することになったのだと思います。

上京した磯野家

上野駅に着いた時にカツオのリュックサックに、多額の現金を詰め込んでいたらしく、きっとそのお金で世田谷の家を購入したのだと思われます。

後に、マスオさんサザエさん磯野家と同居することになるのですが、この家がアニメでもずっと住んでいる田の字型住宅です。

田の字型住宅とは、日本の伝統的な住宅で、はっきりとした起源は分かりませんが、古代の農耕社会からある形式のようです。

廊下を無くしたコンパクトな設計が可能ですが、部屋同士がで隣り合っているので、プライバシーはほぼありません。

もともとは、農業効率性機能性から生まれたようで、農家が効果的に働けるように考えられています。

また、自然環境も考慮されていて、部屋の配置により、風通し日当たりを最大限に確保することができる快適な居住空間となります。

田の字型の間取りは、農家の効率性と機能的性から生まれ、今でも一部の住宅では、伝統的な様式として受け継がれています。

磯野家田の字型住宅でも同じで、今はたまたま各自の部屋を決めていますが、基本的には部屋の用途を定めず、その時々で家族構成にあった部屋に移動して、何世代にもわたって使用できるようになっています。

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