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高度経済成長期「ドラえもん」1969年

ドラえもんが描かれている時代は、昭和30年~40年代の高度成長期です。

日本の高度成長の始まりである神武景気から東京オリンピックまでの戦後復興も落ち着いた時期です。

テレビ洗濯機冷蔵庫三種の神器が、一般家庭に普及し始め、ライフスタイルが欧米化した時代。

1956年の経済白書(内閣府)では、戦後復興が終わった言葉として「もはや戦後ではない」としていましたが、1961年の国民生活白書(内閣府)では、「住宅はまだまた戦後である」とするほど住宅問題は深刻でした。

そこで、地方から都市部に流入してきた家族を受け入れるために、都市部では2DKの団地が登場します。

これが、欧米文化を取り入れた、憧れの団地生活の始まりです。

1951年、建設省が定めた、公営住宅標準設計規格「C51型」では、寝食分離就寝分離という2原則によって、ダイニング・キッチンが誕生しました。

ダイニング・キッチンとは、和製英語で、当時の公団担当者と建築家の浜口美穂らによってつくられた造語です。

その後、1955年設立の日本住宅公団による風呂バルコニー洋風家具付きの標準設計規格「2DK55型」が、都市部に建設されていきます。

その一方、郊外では公庫住宅の一戸建てが憧れの的で、主流はダイニング・キッチンを採用した中廊下式の住宅で、狭い敷地を有効利用した2階建てです。

野比家

そんな規格住宅が、ドラえもんに登場してきたのです。

のび太の住む野比家も、フライバシーを重んじる、この間取りを採用していて、まさに高度経済成長期のお手本のような間取りです。

この頃の子供部屋は、勉強部屋と呼ばれることが多かったようで、日本が学歴社会と呼ばれるようになったのは70年代後半頃からですが、実質的にはこの頃から学歴重視の社会が始まっていました。

これも時代によっての教育見栄など、どこに重きを置くのかといった部屋の用途表現の流れだったのかもしれません。

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