いつもありがとうございます。必要の場をツクル設計事務所-長尾アトリエ の 長尾 です。
3話目.台南-古い建物は終わらない
さらに南の台湾の古都、台南へ。
ここでは、新しいものだけが未来をつくっているわけではありません。
かつて使われていた建物を壊してしまうのではなく、少しだけ残す。
その上に新しい場所をつくる。
昔の建物の記憶と今の人たちの暮らしが、同じ場所で重なっていきます。
屋上には緑が広がり、人が歩き、遊び、風を感じる場所もあります。
昔と今。
建築は、その二つの間に橋をかけます。
古い建物は、古いから終わるのではなく、新しい役割を見つければ、また未来へ歩き出せるのです。
4話目.ソウル-都市が実験室になる
次の街は、韓国のソウル。
ここでは建築が、もっと大きなスケールで動き始めています。
駅のそばの巨大な建物、文化施設、ホテル、映画館。
そして街には、未来を想像させる新しい空間が次々と現れます。
建築と都市と商業と文化。
それぞれが別々に存在するのではなく、混ざり合いながら街をつくっていきます。
もしかすると、未来の建築は「建物」という言葉だけでは、説明できなくなるのかもしれません。
そして、未来へ
旅を終えて、もう一度アジアの地図を見てみると、そこには、たくさんの新しい建築があります。
けれど、本当に面白いのは、カタチの珍しさだけではありません。
バンコクでは、建物の中に街をつくろうとしていました。
台北では、建物の中の活動を街へ見せていました。
台南では、過去の建物を未来へつなごうとしていました。
ソウルでは、都市そのものが新しい暮らし方を試していました。
かつて、建築の未来は遠い国からやってくるものだと考えられていたのかもしれません。
でも今は違います。
未来は、世界のいろいろな街で、同時に生まれています。
そしてきっと、まだ名前もない新しい建築が、今日もどこかで考えられています。
建築は完成した瞬間に終わるものではなく、人が使い、街が変わり、時代が進むたびに、また新しい物語を始めます。
街は、昔の記憶を抱えながら、今日を生きて、少しずつ未来を夢みているのです。
