いつもありがとうございます。必要の場をツクル設計事務所-長尾アトリエ の 長尾 です。
建物を壊したあと
石膏ボードはどこへ行く?
建物をリノベーションするとき、壁や天井を解体すると、たくさんの材料が出てきます。
木材、金属、ガラス、断熱材など、そして住宅やオフィス、ホテルなどで、とてもよく使われているのが、石膏ボードです。
普段は壁の中に隠れているので、あまり意識することはありません。
でも実は、建物を解体すると、この石膏ボードが大量に廃材として出てきます。
では、その石膏ボードは、その後どうなるのでしょうか。
1話目.そもそも「石膏」って何?
石膏はもともと天然に存在する鉱物です。
石膏ボードとは、名前のとおり、石膏を芯材にして、その両側を紙で覆った建築材料です。
石膏ボードの原料となる石膏には、天然の石膏だけでなく、火力発電所などから生まれる副生石膏や、使用済みの石膏ボードなどから回収された回収石膏も使われています。
製造するときは、石膏を焼成して「焼石膏」とし、そこに水や添加剤を加え、ボード状に成形していきます。
つまり石膏ボードは、「石膏+紙」という、とてもシンプルな構成の建築材料です。
それでいて、「防火性・遮音性・ 施工のしやすさ・ 経済性」などに優れているため、住宅からビル、ホテル、学校まで、さまざまな建物に使われています。
つまり、街の中で毎日いる建物の壁や天井の多くに、石膏ボードが使われているということです。
それだけ多く使われているということは、建物を解体したときには、それだけ多くの廃材が出るということでもあります。
2話目.捨てるだけではない
解体された石膏ボードは、そのまま廃棄されるだけではありません。
紙と石膏に分け、石膏は再び石膏ボードの原料として使ったり、地盤改良材など別の用途に利用したりすることができます。
つまり石膏ボードは、「建物 → 廃材 → もう一度資源へ」という循環ができる材料なのです。
一度、壁や天井として役割を終えても、その材料すべてがそこで終わるわけではありません。
形を変えながら、もう一度、建築の中へ戻っていく可能性があります。
3話目.リサイクルは簡単ではない
もちろん、何でも簡単に再利用できるわけではありません。
解体現場から出てくる石膏ボードには、木材や金属など、さまざまな異物が混ざることがあります。
また、保管中に水に濡れたり、他の廃材と一緒になったりすると、再利用しにくくなります。
つまりリサイクルするためには、壊したあとにどう分けるかが、とても重要になります。
建物をつくるときだけでなく、壊すところまで考えておく必要があるわけです。
