いつもありがとうございます。必要の場をツクル設計事務所-長尾アトリエ の 長尾 です。
4話目.これから増加する解体
石膏ボードは、日本でも長い間、大量に使われてきました。
そのため今後、古い建物の建て替えや改修が増えるにつれて、廃石膏ボードの発生量も増えていくと考えられています。
ここで、一つ大きな問いが出てきます。
古くなったら壊して、新しく建物を建てればよいのだろうか?
もちろん、建て替えが必要な建物もありますが、すべてを壊す必要はありません。
建物を捨てないという選択
これからの建築では、新しい建物をつくることと同じくらい、今ある建物をどう使い続けるかが重要になってくると思います。
- 古い住宅を宿泊施設へ
- 使われなくなった事務所を店舗へ
- 空いたビルを、新しい働く場所へ
建物そのものを再利用できれば、解体によって出る廃材を減らすこともできます。
そして、建物を残しながら、
- 断熱性能を上げる
- 設備を更新する
- 間取りを変える
- 新しい用途を与える
そうすることで、建物はもう一度、社会の中で役割を持つことができます。
リノベは「内装を綺麗にする」ではない
リノベーションというと、おしゃれな内装にすることを想像する人も多いかもしれません。
でも、本来はもっと広いものです。
- その建物が、これから何年使えるのか
- どんな用途なら生かせるのか
- どこを残し、どこを更新するのか
そして、工事をしたとき、どのくらいの廃材が出るのか。
そうしたことまで含めて考えることが、建物を再生するということだと思います。
建築は完成からも続いている
石膏ボードという、一見すると地味な材料を見ていくと、建築は、設計して、建てて、完成したら終わりではないことが分かります。
建物は使われ、古くなり、修理され、ときには用途を変え、最後には解体されます。
そして、その材料の一部は、また新しい建物へ戻っていきます。
最初は壁の中にあった、一枚の石膏ボード。
役割を終え、解体され、細かく砕かれ、やがて、また別の建物の材料になるかもしれません。
建築も材料も、そこで完全に終わるのではなく、次の役割へとつながっていく。
これからの建築では、「何をつくるか」だけではなく、「今あるものを、どう生かすか」という視点が、ますます重要になっていくのではないでしょうか。
