耐震化率の上昇は、社会のシワを増やす?
こんにちは。
長尾アトリエ の 長尾 です。
同潤会アパートや団地の歴史を振り返りながら、
もう少しで、
"日本初"の分譲マンション ="四谷コーポラス"
のコトまで辿り着きそうなのです。。。が、
実は、
ココまでの"間"に「杭」の問題が露になり、
分譲マンション の"起源"にまでさかのぼった内容が
各メディアで報道され、
"四谷コーポラス"のコトが、あちらこちらで、紹介される
コトとなりました。。
そんな訳で、歴史を紐解きながら、やっと辿り着いたのですが、
すでに、ご存知のかたもいらっしゃると思います。。。(^^;
。。っと、ソノ前に、
"耐震の歴史"を整理しておこうと思います。
建築物は"資産・ボリューム・老朽化・・"など、
様々な角度で"切り取って観察する"コトができるのですが、
現存する"日本初の分譲マンション"の"耐震"の状態が、
"どの地点"のモノなのかを整理しておくコトで、
"いま、なにが問題で"
"これから、なにをすべきなのか"
が、
より"身近なコト"として具体的にみえてくると思います。
"1950年"に施工した"建築基準法"は、
"数十年に1度程度"発生する
"震度5強"程の地震でも、
「ほとんど損傷しない」耐震性が義務となりました。
その"約30年後"
"1978年"の"宮城県沖地震"が起こり、
"1981年"に"新耐震基準"が導入され
"数百年に1度"発生する
"震度6強から7"程度の地震でも
「倒壊しない」基準に引き上げられました。
そして、さらに"約15年後"
(建築基準法が施工されてから"約45年後")
"1995年"に"阪神大震災"が起こりました。
戸建、マンションなど"25万棟"が全半壊し
"1981年"に改正された"新耐震基準 以前"に建てられた
"約3割"が"倒壊・大破"した場所もありました。
兵庫県では、
死者の"約70%"が、
家などの"倒壊"による
"圧死・窒息死"と報道されました。
現在、戸建やマンションの"住宅"のうち
"新耐震基準"を満たす割合="耐震化率"は、
"2008年"時点で"約80%"
国は、
"今年(2015年)末"までに"90%"
東京オリンピックの年
"2020年"までには"95%"の"耐震化率"を掲げるています。。
。。。。ただ、
昨今、民間に比べると"報道の量"は、少ないのですが、
"耐震化率"を上げるタメの"公共事業"ですら、
"データの流用"による"耐震偽装事件"が起こっています。
"今までの天災"に学び、
"これからの天災"に備えるタメ、
"耐震化率"を上げるコトは、
"社会"にとって、正しいコトのはずなのですが、
そのプロセスの中、
"法律"や"基準"が細かく決められ、
いっそう"縛り"がきつくなることで、
合理化された社会のどこかに"シワ"がより
今までとは違う、
新たな"偽装"による、"人災"が生まれない、
"カタチ"を創るコトも大事だと思います。
今後ともよろしくお願いいたします。
≪ 長尾アトリエ ≫ 長尾景司 ≪
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