いつもありがとうございます。必要の場をツクル設計事務所-長尾アトリエ の 長尾 です。

確かな結末へ加速する-場所づくりを3DCGによるビジョンの共有から始めることで、確かな結末にたどり着くためのより良い道筋が現れます。

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沖縄県八重山郡竹富町

沖縄県八重山郡竹富町に属する竹富島。

2020年に入り、お隣の台湾に大きく遅れ、光ケーブルの工事が始まったところです。

周囲9キロ、終戦後、兵隊が続々帰島した第二次ベビープームの頃は、人口2,000 人を超えていましたが、現在では350人ほどです。

川もなく、畑用に耕せる土地の深さも極端に浅く、珊瑚礁が盛り上がってできた島での農業は過酷で、保水力のない石とわずかな土を丁寧に開墾した農地が海の端まで広がり、家から海が一望できます。

そして、砕ききれない岩を畑の縁に積み上げてできた境界と、休憩のためにと1本ずつ植えられた常緑樹の織りなす風景。

そこには、無駄がなく整然とゆき届き、とても美しい竹富島の戦後の農村集落景観が広がっていました。

戦後復興時には、島民一丸となって戦後からの立ち直りをめざしていましたが、なかなか難しく販売用の作物を求めて、サトウキビ、養蚕、肉牛育成など島の主要産業を変え続けていました。

島づくり

祖国復帰から50年、街(島)づくりは持続可能が条件です。

コミュニティを維持するには変化も大事ですが歴史を尊重する必要もあります。

面責の大きな場所では、再開発による全面建て替えも可能ですが、島の存続を考える場合、全て壊して造り直すことはとても困難です。

このため1986年に島の景観ビジョンを定めた「竹富島憲章」が制定されます。

これは土地の無秩序な利用の規制や海辺の環境を美しく保つための約束ごとを決めたものですが、制定30年を超えれば、時代は変わり生活様式も変わります。

そこで、現行にあてはまらない文言を変更するために委員会が立ち上がり、2017年に竹富公民館定期総会決議に基づき、「竹富島憲章」が改定されました。

コロナ

想像することもできなかった事態が起きます。

沖縄本土復帰から50年、新型コロナウイルスの感染拡大による、人と会えない、話せない、自由に動けないという日常により、最大の経済の落ち込みです。

宮古・石垣バブルと聞いて稼ぎに来た人たちが、この機会に撤退してくれたらよかったのですが、自粛が長引けば長引くほど、撤退せざるを得ないのは、体力のない地元業者ばかりと、地域では不安が増大しています。

石垣島、西表島などからなる八重山諸島。

観光の稼ぎ頭である竹富島では、エスカレーターに乗せられたかのように流れて来ていた観光客がコロナにより止まります。

この時、通常1,000台を超えていたレンタサイクルを利用する観光客の風景が無くなった島は、静寂を取り戻すこととなるのでした。]

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