いつもありがとうございます。必要の場をツクル設計事務所-長尾アトリエ の 長尾 です。

確かな結末へ加速する-場所づくりを3DCGによるビジョンの共有から始めることで、確かな結末にたどり着くためのより良い道筋が現れます。

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分岐点

石垣島、西表島などからなる八重山諸島。

列島では、1640年頃から1900年代初頭の約300年間人頭税と呼ばれる税制があり、これは15から50歳までの個人に対し、その能力や資産に関わらず、粟(米)や織物などを税として均一に課すものでした。

諸島内の竹富島の島(街)づくりの大きな分岐点になるのが、1903年に行われた、この人頭税廃止。

続いて、1945年の終戦、1972年の沖縄返還です。

大型台風の常襲に加え、雨がほとんど降らない水不足の続く地域であったため、分岐点を境に、島をあげて観光に舵を切ることとなります。

島の集落景観は、珊瑚の白い砂を敷き詰めた道、珊瑚石灰岩の石垣、赤い琉球瓦、四季を感じ花々などを特徴としていたため、まず街並みの重要建造物群選定にチカラを入れます。

また、島外の資本からの土地の買い戻しにも成功し、地域の意思で未来を決めることができるようになります。

このような決断のもと1979年に観光客は10万人超、1999 年には20万人、2000年代にはいると40万人と成果がで始めます。

そして現在では、人口約4000人の島への観光客は年間50万人にもなり、お隣の石垣空港へ降立つ人の約半数が立ち寄る観光地となりました。

急激な上昇には理由がある

諸島では、沖縄や離島の人気、そして地域性の強い観光資源でもてなす着地型観光人気で、那覇、石垣、竹富島の3カ所が起点となっています。

当初の誘客は、石垣のホテルやフェリーの観光事業者が行っていましたが、観光客の急激な増加に伴い、2003年に遺産管理型NPO法人「たきどぅん」を設置することとなり、環境省のビジターセンターと県立の旅客ターミナルの運営を受託することとなりました。

人口の10倍以上を超える観光客対策として、島に訪れた観光客はまず、島の紹介映像と注意事項の映像を視聴し、バスで集落へと向かうというルールもつくられました。

その後も、量から質への転換を掲げ、公民館近くに増加するレンタルサイクル用の駐輪場と休憩所の設置、ゆっくり観光を提唱した素足ツアーなども開始します。

さらに、文化的に質の高い観光を目指し、旧与那国家住宅の重要有形文化財指定にもチカラをいれ、行政と島民のボランティアによる共同作業で、重文の母屋に相応しい庭や周囲の石積み、観光客用トイレも整備しました。

しかし、2019 年に入ると入館者は16%まで落ち込むこととなるのでした。

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