いつもありがとうございます。必要の場をツクル設計事務所-長尾アトリエ の 長尾 です。
排除しない
いろいろな人の「困った」から、新しいアイデアを生み出す。
インクルーシブデザインとは、これまで十分に使いやすさを考えられてこなかった人たちの「困った」や「使いにくい」に目を向け、そこから新しい製品やサービスを考えていく方法です。
このため障がいのある人だけを対象にするわけではありません。
高齢者、外国人、子ども、ベビーカーを使う人、デジタル機器が苦手な人など、さまざまな立場の人の声を取り入れながら、より多くの人が使いやすいものを考えていきます。
一番困っている人
インクルーシブデザインでは、特に使いにくさを感じている人の立場から考えることを大切にします。
たとえば、美術館で絵を見ることが難しい視覚障がい者のために、絵を触って感じられる立体や、専門知識がなくてもイメージしやすい説明が考えられました。
すると、その工夫は視覚障がい者だけでなく、一般の来館者にとっても作品を分かりやすくすることにつながりました。
つまり、一番困っている人の立場から考えることで、結果として多くの人にとって使いやすいものが生まれることがあります。
ユニバーサルデザインとの違い
インクルーシブデザインとよく似た言葉に「ユニバーサルデザイン」があります。
ユニバーサルデザインは、最初からできるだけ多くの人が使いやすいように、製品や建物、情報などを考える方法です。
一方、インクルーシブデザインでは、実際に使いにくさを感じている人にも参加してもらい、一緒に考えていきます。
簡単に言うと、ユニバーサルデザインは最初から「できるだけ多くの人が使えるように考える」、インクルーシブデザインは、「困っている人と一緒に考え、そこから新しい工夫を生み出す」という違いがあります。
絆創膏
インクルーシブデザインによって生まれた例の一つに、使いやすい絆創膏があります。
開発には、目が見えない人、手がない人、リウマチで手を動かしにくい人、弱視の人、車椅子を使う人など、さまざまな人が参加します。
同じ絆創膏でも、困るところは人によって違います。
手がない人は、足を使って絆創膏を貼ります。
目が見えない人は、包装を開けるところから手探りで使い方を確認しなければなりません。
そこで、それぞれの人がどこで困っているのかを話し、試作品を作って、実際に使いながら改良をしていきます。
誰か一人の意見だけで決めるのではなく、いろいろな人の意見を聞くことで、これまで気づかなかったアイデアが見えてくるのです。
