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木と石の束

建物の床下を見ると、地面と床の間の短い柱が何本も立っているのが見えます。

これが床束です。

厳島神社の本殿は海の上に建っているのに、断面の大きな木材の束が使用されています。

本殿のような大きな建物には木の束を、平舞台のような建物には、石の束が使われているのですが、これには理由があります。

木の束は、木材ならではの粘り強さで、建物の重さをしっかりと支えることができます。

一方、石の束は、耐久性が高く湿気にも強いので、平舞台のように、一時的に人がたくさん集まる場所に適しています。

海に浸かる束

また、本殿は海の中に建っているので、木の束は腐りやすいのではないかと心配になると思いますが、実は、木は常に水に浸かっていると腐りにくい性質があるのです。

木材が腐る原因は、水中にいる微生物の影響が大きいのですが、塩水にはこの活動を抑える効果があります。

昔の人は、そのことを経験的に知っていたのですね。

さらに厳島神社の場合は、定期的に束を交換しているので、長持ちするのです。

木の船などは、例えば、ヒノキやクスノキなど、水に強く腐りにくい樹種で造られていることが多いようです。

御手洗川

神社背後の弥山から流れる御手洗川の元々の経路は、本殿を通るものでしたが、造営の際、神社背後を迂回する流路に変更されました。

これは、山津波による被害防止などの防災対策のためだけではなく、前述したように淡水は海水よりも木材を腐朽させる速度が早いため入江の淡水化防止が大きな目的だったとされています。

何故そこまでして海上なのか

厳島神社が海に浮かんでいるのは、神様を島全体で祀るという考え方があったからなのです。

昔は島そのものが神聖な場所だと考えられていて、そこに建物を建てることができませんでした。

そこで、島の人々は海の上に神社を建てて、島を傷つけずに神様を祀ることにしたんです。

このため厳島神社は、潮の満ち引きを利用した独特の建築様式で建てられ、満潮時には海に浮かんでいるように見え、干潮時には歩いて鳥居まで行くことができるとても素晴らしい景観となったのです。

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