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【必要の場をツクル設計事務所】-長尾アトリエ の 長尾 です
建築物が存在する理由
過疎地に直面する問題は、"仕事"がないことです。
農林業だけに依存しない。。という、出発点は同じですが。神山町が、遺産、文化財登録で"観光化"を目指す地域と一線を画したのが、ここからでした。
まず、多様な働き方を受け入れることでバランスのとれた"持続可能な地域"を目指す。という”創造的過疎”といった行動にでます。過疎化が進行するが、移住者は獲得したい。
だけど、仕事がないから定住してくれない。。そこで始めたのが。"ワーク・イン・レジデンス"です。
ちなみに、アーティスト・イン・レジデンス、ワーク・イン・レジデンスの"レジデンス"とは、主に"邸宅"といった意味があるようです。
つまり最初から"宿泊"での観光客獲得よりもハードルが高い、"定住"者獲得を目指した。。ということですね。
さて、"ワーク・イン・レジデンス"とは、地域の将来に"必要になるヒト"を"逆指名"する。といったプロジェクトです。既に他の地域で、仕事を持っている"移住希望者"に、
- この空き家は"コックさん"に貸します。
- この空き家は"デザイナーさん"に貸します。
と宣伝し、移住希望者に職業ごと"逆指名"するのです。
- 事務所にピッタリ!
- お店にピッタリ!
のように実際には、何にピッタリか分からない不動産広告は沢山ありますが、手に職をもっている移住希望者にこの場所を使ってください。というものですから、分かりやすいです!
さらに"希望者"にとっては、"地域に求められている"という"モチベーション"にもつながり、結果、空き家を計画的に可動させることで街が復活することになったのです。
街の活性化のためにモノをつくる。のではなく、それをつくりたいヒトの"居場所"をつくる。といったことなのですね。
太古の昔からある"権威の象徴"しかり、現在の"空き家の活用"しかり、建築物が存在は、"必然の結果"だと考えているのですが今回は、そもそもの基本を思い出すこととなりました。。
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