C.アレグサンダー「パターン.ランゲージ」
いつもありがとうございます。
【必要の場をツクル設計事務所】-長尾アトリエ の 長尾 です。
石川県「シェア金沢」を運営する、
社会福祉法人佛子園。
生き生きとしたコミュニティ形成のため
ここでは職員が、
建築家"C.アレグサンダー"著
「パターン.ランゲージ」
を読んで、
施設の"あり方"を話し合っているそうです。
「パターン.ランゲージ」とは、
建築・都市計画にかかわる理論です。
例えば、
"単語"が集り"文章"となって、
"詩"が生まれる。
同じく、
"パターン"が集まって"ランゲージ"となり、
"生き生きとした建物やコミュニティ"を形成する。
というものです。
この本では、
街や建物の中で"心地よい"と感じる環境を分析して、
253もの"パターン"を掲げています。
要素としては、
① "街・コミュニティ"に関するパターン。
② "建物"に関するパターン。
③ "構造・施工・インテリア"に関するパターン。
です。
具体的には、
・ 小さな人だまり
・ 座れる階段
・ 街路を見下ろすバルコニー
などがあり、
・ 家を建てる時
・ 街づくりのルールを決める時
などに役立つヒントになっています。
C.アレグザンダーによると
これらは、
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各国の美しい街や住まいに共通する普遍的なもので、
かつては"誰でも知っていたモノ"である。
しかし、
急激な近代化の中で"忘れさられたモノ"である。
既存の建物を撤去した更地に
直線の広い街路を造り、 高層ビルを建てるといった、
近代都市計画の発想とは正反対の発想である。
既にある、街の文脈を読み、
狭い路地や目にとまる植栽、窓からの眺め。
といった
ヒューマンスケールな要素が"重視"されている。
望ましいコミュニティ全体を
一度にツクルことはできないが
パターンに従った一つ一つの行為の積み重ねが
確実にコミュニティを形成してゆく。
こうしたパターンを"見出す"のは、
住まい手 や 住民自身であり、
建築家はその過程を手助けして、
実際のカタチになるよう
設計・施工の監理を行うことが役割になる。
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と述べています。
いま、
各分野で"専門家"と呼ばれるヒト以上に
生活者の意識は、とても高く、
想像力によって"生活環境"を良くしていこうとしています。
ソーシャル・インパクトにみられるように、
いま、
生活者一人一人に"ピタッと合う"プロジェクトが、
増加傾向にあります。
生活者が"主役"で、生き生きとする!
これからそこに、
日本"独自"の新たな文化が、
生まれそうな気がします。