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文化財保護法の改正

文化財の総合的な活用を目的として、2019年4月に文化財保護法改正されました。

これは、20年以上前から文化庁でも改正の必要性を認識していました。

要は、保護を目的として文化財を使わないのではなく、使われてこそ、その意味が浸透し価値が生まれるということです。

活用の良い点と悪い点

「稼げる保存-観光立国へ歴史的建造物の活用を」

法改正前に建築の専門誌が特集を組んだ時のタイトルです。

要は、文化財を観光客誘致の目玉としようという法改正の狙いのひとつに焦点を当てたものですが、国としては、地方の活性化を図ることも視野に入れているのだと思われます。

しかし、文化財観光の関係は、みんなが昔から頭を悩ませてきた課題です。

例えば、世界遺産に登録された地域において、観光が大きな問題となっている話は、昔からあり、

  • 過剰な観光化によって、肝心の文化遺産そのものが破壊される。
  • 環境汚染。
  • 観光産業の増加により地域での生活が難しくなる。
  • 地域の文化や伝統が侵食される。

など皮肉な状況が発生している事実があります。

法が改正された今、改めて活用を考えてみる必要があります。

活用と公開

一方、活用公開は同義語であると、長い間認識されてきました。

これは重要文化財というものは、凍結的に保護され、限られた条件のもとでしか建物を体験することができなかった時代の名残です。

ひと昔前、重要文化財には、釘一本打てないなどと言われ、個人で所有する日本家屋が、文化財に指定されることはむしろ、迷惑なことでもありました。

しかし現在では、日常的に使用されている建築が重要文化財として指定されるようになり、活用の意味も建物を使い続けることとして理解されるようになってきました。

このためこれからは、文化財を活用することと、利用して稼ぐことの違いを理解しておく必要があります。

≪ 1級建築士事務所 長尾景司アトリエ ≫ 長尾景司

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