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文化財の活用

文化財としての歴史的建物を使い続けることは重要です。

既に、19世紀末にオーストリアの美術史家(アロイス・リーグル)が、同じことを指摘しています。

1964年のヴェニス憲章では、「社会的に有用な目的に活用すれば、歴史的建造物の保存は常に促進される。」としています。

つまり、建物は使われ続けることで人に貢献でき、文化財も例外ではないということです。

一方、歴史的価値が高い建物では、そのオーセンティシティ(建物の本物としての価値)を損なわないことが重要になるため、「活用」「オーセンティシティ」を巡る難しい課題も発生しています。

「活用」に求められるのは、建物本体の価値を壊さない「正しい活用」で、どのように使っても良いという訳ではないということです。

正しい活用

では「正しい活用」を進めるための規則とはどういうものか。

ヴェニス憲章からユネスコを中心に議論されてきた保存理念の中に4つの大原則があります。

  • 最小限の介入
  • 可逆性への配慮
  • 新旧の調和と区別
  • すべての時代の正当な貢献の尊重

近年の日本でもこれらについての理解は進み、文化庁による「重要文化財耐震診断指針」にも、4つの原則への配慮が読み取れます。

課題

稼ぐために観光化が進められ、時間が蓄積された大切な部分が、切り捨てられているのではないかなど、今後も文化財の「正しい活用」については、色々な課題が生まれるのだと考えられます。

文化財の「正しい活用」とは、観光化により単に稼ぐのではなく、文化・経済の両面において社会に貢献できる状態が望ましいのではないかと思います。

≪ 1級建築士事務所 長尾景司アトリエ ≫ 長尾景司

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