いつもありがとうございます。必要の場をツクル設計事務所-長尾アトリエ の 長尾 です。
コペンハーゲンの試み
コペンハーゲンでの自転車インフラ整備は、2005年から始まり、市が"自転車関連事業"に費やした金額は、約180億円ほどになります。
そしてその内容は。
- 約350kmにおよぶ専用道路の設置
- 専用信号の設置
- 港の上に高架式の専用道路の設置。
- 自転車から利用しやすい斜めに傾いたゴミ箱の設置
- 自転車利用者数の統計を表示するパネル設置
さらに、混雑時に時速20kmで走行すると赤信号にかからない
- "グリーンウェーブシステム"の導入
など、多様な工夫が街のいたる所に施されています。また、高い環境意識は教育現場でも養われていて小学校では"交通ルール"を教え、安全の基礎知識がしっかり根付くことで、"楽しく自転車に乗りたくなる街"となっているのです。。
自転車のみならず、幼少期からの"環境教育"にも力を入れており、例えば、デンマーク発祥の"森の幼稚園"では、子どもたちを森へ連れていき、自然との関わりを学ぶ教育が行われています。
さらに最近、日本でもプラスチック製品の使用をやめようという風潮になってきましたが、北欧のごみの分別意識はとても高く、国内で販売される"プラスチック製品"や"ガラス瓶・缶"などには、環境に悪影響を与える製品の回収を促すため、製品の販売時に"デポジット(預かり金)"を価格に上乗せし、使用済製品を返却する際、預り金を返還する"デポジット制"が採用されています。
このため北欧の多くの国では、90%近くのとても高い回収率になっており、リサイクル文化が、あたりまえとなっているのです。
食品廃棄物の削減にも熱心で、コペンハーゲンでは、ヨーロッパ初となる食品業界で"売れなかった食材"を使って料理を提供するNPOレストランなども活躍の場を広げています。
そして日本と同様に、ひとり暮らしの高齢者も多く、これらの、高い環境意識や社会制度に加え、近隣の住人が、買い物や料理を助け合い、気軽に声を掛け合える関係が、同世代だけでなく、多世代で形成されています。
どうやら。。全てを循環させる、サステナブルな日常は、環境・社会への取り組みだけでなく、各個人の行動や意識の高さに決め手がありそうです。
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