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オンドル 温突
韓国の伝統的な建築様式を使用した家屋をハノク(韓屋)といいます。
古くからハノクには、朝鮮半島の伝統的な暖房法であるオンドル(温突)と呼ばれる独特の床暖房システムが用いられてきました。
オンドルは、カマドなどのたき口で火をたき、それによって暖められた空気を、床下につくられた"煙道"に送って、床を暖める仕組みです。
オンドルの暖かい空気が逃げないように、すき間なくつくられた部屋を、オンドルバン(温突房)と呼び、いくつものオンドルバンが集まって、ハノクができています。
このようなシステムは、ベッドなど、床の一部だけをあたためる暖房など、東北アジア一帯に見られます。
高句麗(こうくり)
高句麗(こうくり)とは、紀元前37年に設立され、668年までつづいた君主制国家です。
現在の朝鮮半島(韓国、北朝鮮)中央部から、中国東北部の南部にかけての地域に存在しました。
最盛期には中国東北地方南部、ロシア沿海地方の一部および朝鮮半島の大部分を支配していました。
朝鮮史の枠組みでは、同時期に朝鮮半島南部に存在した百済(クダラ)・新羅(シラギ)とともに三国時代を形成していました。
オンドルの起源
オンドルの起源は、高句麗だという説が有力で、古い文献には、高句麗のヒトたちがオンドルを使っていた記録が残っています。
- 日本の縁空間にも似た、夏向きの抹楼(マル)。
- 冬向きの温突房(オンドルバン)。
オンドルが、朝鮮半島全域で用いられてきた一方、マルの起源はその開放性から考えて南方だとされています。
朝鮮半島の家の間取りは、冬向きの部屋であるオンドルバンと、夏向きの部屋であるマルの組み合わせからできています。
その組み合わせは地域によって違いがありますが、都市型ハノクが多く残る首都ソウルの"北村"では、マルとオンドルバンの組み合わせが基本となっています。
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