『同潤会アパート』と『サヴォア邸』が、親戚に見えてくる話。
こんにちは。
長尾アトリエ の 長尾 です。
『ウェブセミナー』に参加頂いた方々の感想を読んでいましたら、
学生の頃、"ル・コルビュジェ"が手がけた『サヴォア邸』を見に行った時の
コトを思い出しました。
ル・コルビュジェとは、
スイス生まれでプランスで活躍した“近代建築の祖”と呼ばれるヒトです。
近代建築の5原則『ピロティ・屋上庭園・自由な平面・水平連続窓・自由な立面』
を提唱し、
日本では、上野の『国立西洋美術館:1959年-』の基本設計をしてます。
サヴォア邸とは、
パリ郊外のポアシーという街にある住宅なのですが、
近代建築の5原則を実現し「住宅は住むための機械である」と唱えた
コルビュジェの機能的設計の原型を実現したものです。
この住宅を見に行こうと、
観光ガイドブック片手に、パリから電車に乗ったのはいいのですが、
何故か目的の一つ前の駅で降りてしまい、
この際、一駅くらい歩けると思い、歩き始めたところ、
2時間ほど森をさまようコトになってしまいました。
暴漢(?)に襲われることもなく、なんとか辿り着き、
世界的に有名な建築物を見た時の"最初の印象"は、
柱は細く、壁も薄く、
「なんと華奢(キャシャ)なのだろう。。。」
。。。でした。
それもそのはずで、『サヴォア邸』が造られたのは、
日本では"関東大震災"が起こった
1900年代前半(大正と昭和をまたぐあたり)と同時期なのです.
その頃の日本はまだ、
耐震性の法整備どころか、『建築基準法』さえ施行されておらず、
震災復興のため設立された(財)同潤会が、
少しでも『耐久性』を高めた"住い"を供給するため、
首都圏各地に"鉄筋コンクリート造"で
『同潤会アパート』を造っていました。
上野の『国立西洋美術館:1959年-』の実施設計を
ル・コルビュジェに学んだ日本人が手がけたのですが、
当時、建築の考え方を欧州から学んでいたコトを考えると
『同潤会アパート』と『サヴォア邸』が、
(実際には何の関係も無いのですが。。)
なんとなく、親戚に見えてきます。。
その後、
震災復興の役割を十分に果たした『同潤会アパート』は、
老朽化による"取り壊し"と"高層への建て替え"として
次の時代へ引き継がれて行くことになります。。。
今後ともよろしくお願いいたします。
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