いつもありがとうございます。【必要の場をツクル設計事務所】-長尾アトリエ の 長尾 です。

ゲルの組み立て方

中国とロシアの間に位置するモンゴル国。

国土のほとんどが、樹木が育ち難い高原地帯で占められています。

このため、ゲルと呼ばれる移動式住居とともに遊牧中心の生活文化が発達してきました。

ゲルの組み立て方は。

  • まず、平らな地面に、床となる部材を敷きます。夏は地面にそのままフェルトや布を敷いて床としますが、寒い冬は家畜のふんをまき、その上に板(パネル)とじゅうたんを敷きます。
  • 折りたためる格子状の壁の骨組みをつなげて、円形の壁をつくっていきます。一般的には、南か南東の方角に扉を取り付け、馬の尻毛・タテガミでつくられたロープで壁に固定します。
  • 1人がゲルの中央に2本の柱を立てて、"トーノ"と呼ばれる丸い天窓の枠を支えます。他のもう1人が、外側から垂木(たるき・屋根部分の骨組みになる木)を、まず4方向から天窓の枠の穴に差し込んで壁に渡し、ヒモで壁にしばって固定します。
  • 同じように数本の垂木を天窓の枠と壁に次々と放射状に渡していき、固定します。これで天井部分(屋根部分)の骨組みが完成です。
  • 次に、天井用の布を垂木にかぶせてヒモで結び、壁には壁用のフェルト(動物の毛を使った不織布)を巻いていき、屋根用のフェルトを屋根にのせます。
  • ゲル全体に厚手の布をかぶせ、さらにその上に防水用の布をかぶせ、ロープで外壁を上中下の3段に分けてしめ、外れないようにします。
  • 天窓の開閉に使う「ウルフ」と呼ばれる布を、天窓の枠の半分にかぶせて完成です。

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