いつもありがとうございます。【必要の場をツクル設計事務所】-長尾アトリエ の 長尾 です。
高性能化とガラスの使用量
近年の住宅は、カーボンニュートラルの実現や高気密・高断熱化に加え、消費エネルギーゼロを目指すなど、政府の補助もあり普及促進中です。
これらの"高性能化"とガラスには、密接な関係があります。
まずは、高断熱化をするために窓のガラスを複層化します。
加えて、壁や屋根の断熱性能を確保するために、断熱材として廃ガラスを主原料としたグラスウールが使用されています。
実際、グラスウールとは、板ガラスやガラスびんの廃材を主原料としていて、ガラスのリサイクル製品なのです。
さらに、再生可能エネルギーを導入するため、太陽光発電パネル等が設置されます。
太陽光発電パネルは、銅、アルミ、プラスチック、シリコン、板ガラスなどで作られているのですが、その中でも発電基盤やカバーとして使用されている板ガラスは重量比率で約60%にもなります。
このように、住宅を高性能化することは、窓の複層化に加え、断熱材や太陽光発電設備を使うことで、多くのガラスが使われることになります。
板カラスをリサイクルするメリット
板ガラスを製造する際、主原料の珪砂やソーダ灰などの原料を高温で溶かす必要があります。
そのため、板ガラスの製造には、重油や天然ガスなどの化石燃料を大量に使うことになります。
一方、ガラスの欠片である"ガラスカレット"という素材があります。
このようなカレットを再利用することで、主原料を溶かす際の製造工ネルギーをカットすることでき、全体のエネルギー消費量も減らすことが出来ます。
このため、国内では30~40%程、ガラスカレットが利用されています。
国内での板ガラスのリサイクル
まず、溶かした錫(スズ)の上に、ガラスの原料を浮かすことで板ガラスが製造されます。
その際、厚みが異なる両端部は工場内端材として切り落とされ、再度、板ガラスの原料として工場内で利用されることになるのです。
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