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水は命

アルジェリア民主人民共和国。

アフリカ大陸の北側に位置する"通称アルジェリア"は、北側は地中海に面し、東側に中東・アラブが広がる地域です。

国土は、230万K㎡と日本の約6倍の面積です。

この地域の気候は、モロッコ、アルジェリア、チュニジアにまたがる、アトラス山脈を境に大きく2つに分かれます。

アトラス山脈の北は、比較的暖かい地中海性気候で、冬には雨も降ります。

一方、アトラス山脈の南は、広大なサハラ砂漠が広がり、多くの地域で年間降水量が、10~20mm程度です。

日本の年間の降水量が1,000~2,000mm程と考えると、とても雨の少ない国であることが分かります。

フォガラの役割

雨の降らない場所での生活で大事なのは水です。

このためサハラ砂漠での生活に使う水は、地下水に頼っています。

アルジェリアの多くの地域には"フォガラ"と呼ばれる地下水道があり、水を集落まで運んでおり、ここに住む人びとの生活を支えています。

アトラス山脈から流れ出た水がつくりだした"扇状地"は、水がたまった土地で、そこに蓄えられた地下水を利用するために、街に向かって縦穴を"繰り返し"掘って井戸をつくり、フォガラと呼ばれる地下水道を引き込んでいます。

サハラ砂漠の真ん中にあるタデマイト高原の南に、インベルベルという村があります。

フォガラは、乾燥地に広く見られ、インベルベルのフォガラは、水源からの全長がわずか400~500mと、とても短いという特徴があります。

水源から縦井戸の底をつないだ地下水路で村まで地下水を導いていますので、水場には冷たい水が顔を出します。

インベルベルの縦井戸の深さは、深いところで4~5mほどあり、間隔は2~3mですが、井戸を掘る作業はかなり困難です。

掘る作業をする人はハシゴなしで、足がかりをつくりながら"ひとり"がちょうど入れる大きさの穴を降りていき、底に達すると横穴を掘ります。

落下や崩落、酸素不足の危険があるため、ロウソクを灯して、火が消えそうになったら止めて、次の縦穴を掘ります。

このため、この地域の人たちは、命がけで水を確保しているのです。

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