いつもありがとうございます。【必要の場をツクル設計事務所】-長尾アトリエ の 長尾 です。
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4つの大原則
ヴェニス憲章以降、ユネスコ(イコモス)を中心に議論されてきた現代の保存理念の中に、4つの大原則があります。
①最小限の介入
最小限の介入(minimum intervention)と言われる重要な概念です。
interventionは、一般的には「介入」などと訳されますが、「手の加え方」という意味をもつこともあリます。
歴史的建物には、過去の大事な情報が蓄積されているためその価値を正しく未来に伝えてゆくためには、出来る限り少ない手の加え方で活用ができるようにすべきという事です。
ただ、最小限の手の加え方で優れた活用を実現することは、設計者にとっては非常に高度な能力を求められることでもあるのてす。
②可逆性への配慮
歴史的建物の活用は、耐震補強や活用の条件などで新たな部材を付加することが必要になリます。
しかし、建物の用途が変更されたり、よリ優れた修復技術が開発された場合には、付加された部材を撤去し、再構築できる可能性を残すという未来の技術的進歩の可能性に基づく考え方です。
③新旧の調和と区別
現代の保存修復の考え方は、オリジナルの部分と改修された部分の区別が出来ることが原則です。
しかし、その起源であるヴェニス憲章では、以下のようになっています。
「欠損部分の補修は、それが全体と調和して一体となるように行わなければならないが、同時に、オリジナルな部分と区別できるようにしなければならない。」
つまり、調和した上て区別できるという、よリ高度なデザインが求められています。
④すべての時代の正当な貢献の尊重
貢献とは、歴史的建物に残された各時代の人の建物へのかかわりの痕跡です。
かつての文化財の修復工事では、各時代で修復された痕跡は撤去して、創建時の姿に戻すことが基本でした。
しかし、現代の保存理念では、積み重ねられた各時代の痕跡を尊重し、それらを大切に残してゆくことが歴史を正しく継承することであると考えられるようになっています。
ただ、正当な貢献とされているように、残すべき価値ある痕跡を見極めることが大事となってきます。
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