社会的価値から見るバリアフリー
いつもありがとうございます。
【必要の場をツクル設計事務所】-長尾アトリエ の 長尾 です。
複合施設は、
もともと"単体で成立"していたお店が、
一箇所に集まることで、相乗効果を発揮します。
単体と言っても、その"お店だけ"というコトではなく、
例えば、
物品を販売しているお店であれば、
商品の"開発"や"販売戦略"など、様々な役割の
企業やヒトたちが関わることで、成立している"単体"をさします。
複合施設だけでなく、企業や各種団体、サークルなど。。
いつしか、
最初の"立ち位置"を忘れ、一箇所に集まるコトによる
"相乗効果の期待値"を 最優先 に
活動を行うようになったとき、
"数の力"に溺れ、衰退していくようです。
同様に、
単体の機能が、他の機能と"手を結ぶコト"はよくあります。
・ 福祉施設が設置された病院。
・ 消しゴムつき鉛筆。
・ カメラ付き携帯電話。
など。。
そして、手を取り合うためには、お互いの間にある"壁"を
取り払う必要があります。
つまり、"バリアフリー"です。
① 物理的な壁
② 制度的な壁
③ 文化情報面での壁
④ 意識上の壁
これら
四種類の壁を取り去ることが、"バリアフリー"と言われています。
バリア(壁) は、
僕たちが"価値"があると思っている行動を
制約・規制 されることで感ることができます。
つまり、"バリアフリー"の背景には、
社会的"価値"の意味が含まれているコトになります。
もともと別々であった、
病院 と 福祉施設 が、手を結ぶコトでもたらされる
社会的な"価値"を見出すことができた時、
真の"バリアフリー"となります。
この様子は、
病院として、福祉施設として、各々が"単体"として
成立しているから、
複合化するコトで、新たな価値が生まれるコトを指しています。
これとは異なり、
"病院"に 併設する"福祉施設"
または
"福祉施設"に 併設する"病院"
というように、
最初から どちらかに"従属する関係"である様子は、
複合ではなく
2つの用途(機能)を持った"単体の施設"
というコトになります。
なので、これらのプロセスを忘れたとき、
社会的"価値"(社会での立ち位置)
が、分からなくなってしまうようです。
見た目だけでは、分かりにくいですね。。
一方、バリアフリーが抱える問題があります。
従来、障害者とは
"身体的な特徴"のため"無能力という現象"
が、起きていると考えられてきました。
しかし、
近年の"障害学"で扱う
"無能力という状態"は、
社会の"価値"によってつくられるモノと、認識を転換しています。
つまり、"無能力という状態"は、
本人によるものではなく、
社会の"価値基準"が、つくっているというコトです。
もともと、
僕たちには、他者より自分を高く評価する傾向があります。
生きるうえで、重要な心の機能ですが、
この"心"が、差別を生むことにつながります。
。。。次回につづく。
今後とも、よろしくお願い致します。
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