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レスタウロ

永遠の都市ローマ、花の都フィレンツェ。

イタリアの歴史的都市は、街路に並ふ古風な建物は当時の姿を保ちつつ、内部にはモダンな家具や設備か導入され、現代の生活の場として機能しています。

慎重にレスタウロ(修復)され、新旧の要素が無理なく調和する街は、新興住宅地には"ない"大きな魅力があります。

近年、日本でも古い建物を店舗やギャラリーなどにリノベして、改めて活用することが増えてきました。

これは、地域や時代を超えた街の持続性を体現するものです。

カーサ・トッレ(塔状住宅)

中世イタリアの都市での住宅は、パラツッオとカーサの2種類に分けられます。

パラツッオは、古代ローマ皇帝の宮殿があったパラティーノを語源とし、貴族や大商人が建てた豪華で大きな建物を指し、カーサは、一般市民の住宅を指しています。

更にさかのぼり、パラツッオが登場する以前では、貴族などの住まいは、カーサ・トッレと呼ばれる塔状住宅でした。

中世の都市では、一族間の争いや外部からの攻撃に備えて、山野や海岸にこのような塔状の住宅が建てられていたのですが、これは、塔の上からは周囲を見渡せ、敵の侵入をいち早く察知できたからです。

また、高い塔を持つことは、その一族の権力や富を示す権威の象徴でもありました 。

一方で、中世のイタリア都市では、現在の職能団体の源流であるギルドと呼ばれる職人団体や貴族同士の対立が激しく、このような理由でも、都市が城壁で囲まれ塔状の住宅が建ち並ぶ光景につながっていました。

13世紀のフィレンツェには、150本あまリの塔が建っていたといわれています。

つまり当時のカーサ・トッレは、権威の象徴でありながら中世都市の政治的な不安定さを象徴するものでもあったのです。

今日のカーサ・トッレ

現代では、多くのカーサ・トッレが、歴史的な建築物として保存され、改修され、博物館やホテルなどとして利用されています。

そして、市内にある塔の外壁には、無数の四角い穴が開いるのですが、これらの穴は、角材を差し込んで、バッラトーイオと呼ばれる木造の張出し通廊(外壁に後付するベランダのようなもの)を設けていた"ほぞ穴"の名残りです。

当時のバッラトーイオは、平時には日当たリのよい作業場でしたが、有事の際には足下に迫る敵を攻撃するための最前線となリ、また隣接する他の塔や建物をも連結しました。

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