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重点地区のこれまで

2016年の地震後、熊本の街では景観を保護しようという動きが生まれ、伝統的建物の保存や歴史的な町づくりの観点から重点地区を設置することが検討され始めます。

候補は4地区で、このうち「新町・古町地区」は、地震以前から伝統的な町並みづくりに取り組んできていました。

2012年には「新町・古町地区の城下町の風情を感じられる町並みづくりガイドライン」が策定されます。

主な取り決めは、地区内の全ての建築物を対象に、1階に庇や出格子を付けることによって生まれる「風情」に対して助成金が出る仕組みで、重伝建のような根拠ある復原を求めるものではありませんでした。

この背景には、損傷が大きかったり、所有者が高齢で維持管理を続けることが難しい場合など、町家の適切な活用案が見いだせなく、次世代に「負の遺産」を残すことになってしまうという理由で、泣く泣く取り壊すケースがあったことなども関係しています。

現在、町家を新築するためには様々な課題があるため、このような背景により「風情」をまとった町家が活用されることは、取り壊しされるよりは意味のあることのように感じますが、一方で本当に残したい熊本の町並みや町家の価値が失われる可能性があることも事実です。

重点地区のこれから

熊本市は歴まち法により策定した「くまもと歴史まちづくり計画」が2020年に認定されます。

計画では8つの地区が保存・活用の対象となっているのですが、この中に「新町・古町」を中心とする城下町地区と川尻地区が含まれています。

事業は、①歴史的建造物の保存・活用、②歴史的建造物の周辺環境の保全と向上、③伝統文化を反映した活動の継承、④歴史的風致を活かした観光振興、⑤歴史的風致の情報発信と認識向上の5つです。

特に①②の事業は、町家の痕跡調査等を実施した上で、修理や活用を検討するという方針を打ち出しているため、大変な作業ですが、確実によい方向へ向かうと考えられます。

重伝建についても、小川地区や可能性のある松合地区では、今後早い時期に調査が実施されるそうです。

双方とも調査後から葛藤が生じ悩みが増えることが想像できるのため、住む人々に寄り添って町を考えてゆくことがとても大事になっていくと考えられます。

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