いつもありがとうございます。【必要の場をツクル設計事務所】-長尾アトリエ の 長尾 です。
デサインサーヴェイ
1960年代前半の日本に登場した"デサインサーヴェイ"。
その後の高度経済成長で、日本は近代化していくのですが、その反動として"伝統建築"や"集落"などを対象とした"サーヴェイプーム"が起こったのです。
過去から現代に至るまで、日本のサーヴェイは、各地で様々なカタチで展開されてきます。
サーヴェイはデザインにどのように還元されているのか?
建築の仕事をしていると、何かのカタチで、サーヴェイにかかわります。
- 設計のための事前調査。
- 集落や民家研究のための現地調査。
- 景観デザインのための建築・都市的資源の洗い出しなど。
例えば研究のために外国で実測調査を行う場合、特異な歴史と文化・気候風土から生まれた、想像を超える様子を目の当たりにし、衝撃を受けたり、日本の文化と全く異なる具体的な情報を獲得するために、現地の生活に入り込み、空間と時間を共有体験することに面白さを感じることもあるのだと思います。
しかし一方で、設計に役に立つサーヴェイとは?
1970年代のブームから約50年、現代はサーヴェイの目的も手法も多様化しています。
日本のサーヴェイの歴史にはいくつかの流れがあるようです。
便宜的に整理すると例えば、
- 蒐集(シュウシュウ)派としての遺留品研究所、路上観察学会。
- 図面研究派としての建築家や芸大組織。
- 風土に応じるバナキュラーな建築や集落をあくまで外からの視点で抽出するイメージ派としての研究室など。
そのほかにも
- 環境や生活・文化を形成する膨大な要素を扱う類型派。
- 環境行動学的研究など新しい展開を広げている計画学派。
- ケヴィン・リンチなどに始まる
- 都市的視点分析によるコード派などなど。
コロナの影響・AIの登場など、これからの建築や都市のあり方は、複雑さを増していくことが予想されます。
複雑なことに取り組むためには、幅広い切り口が必要であり、サーヴェイのあり方も多様さが求められるのだと思います。
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