小都市でのまちづくり

いつもありがとうございます。

【必要の場をツクル設計事務所】-長尾アトリエ の 長尾 です。

モノの価値は"腕時計自体"と"時間"のように、

"ハード"と"ソフト"が、別々に進化し始めています。

(参考:モノの価値が変わります)↓

http://nagao-atelier.com/free-web-lecture/reason/

そんな中、

世界遺産に係る街のあり方にもみられるような、

"建築遺産を活用するまちづくり"が、

地方部の"小都市"で活発になってきています。

そこで、

歴史ある街での地域のあり方(ソフト)の"変化"と、

その"変化"に伴う、

建築物の修繕・改修(ハード)について、

少し考えてみようと思います。

小規模な都市での"まちづくり"では、

専門的知識や経験を生かして

"ヘリテージマネージャー"や

"コミュニティアーキテクト"が、

一定の役割を担う場面が増えることになります。

ちなみに、

"ヘリテージマネージャー"とは、

地域の"歴史的建造物"の

適正な評価と保存及び活用のマネージメントを行い、

地域の街づくりに

積極的に関わる専門家のことをさします。

歴史地区をどのように活用するのか。。

といった、

阪神・淡路大震災のころからの課題を

最近になって"制度化・資格化"したものです。

また、

"コミュニティ・アーキテクト"とは、

まちづくりの中で、

地域問題を解決していく"補助役"として、

専門的な立場で支援する建築家のことをさします。

こちらはやはり、

地域の建築家が、

かかわることが多いと思います。

さて、

世界遺産の保存の仕方からも分かるように、

歴史ある建造物すべてを

・"文化遺産"として何も施さないで保存すること

・ただ単に"竣工当時"の状態に復元すること

などは、

あまり意味のないことです。

仮に、

建造物を"のこす"と、

地域での"合意"があったとしても、

"適切"な"修繕・改修"が必要になります。

例えば、

歴史的建造物の保存・修復に関わるユネスコの

"ベニス憲章"では、

歴史的建造物を修復する際は、

・ 建設当初の部材を尊重する

・ 欠損箇所を補足する場合は科学的な根拠のある復原とする

・ 竣工時の部材と修復された部分が明確に区別できるようにする

などと、

保存・修復の基本的理念が記されています。

ちなみに

ベニス憲章の理念に基づいて、

現在も世界遺産の選定を行っている

国際記念物遺跡会議(イコモス)が設立されました。。。つづく。