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シーグラム・ビルディング

ニューヨークミッドタウンの超高層建築物シーグラム・ビルディング。

1958年にカナダの酒造メーカであるシーグラムのアメリカ本社として、ミース・ファン・デル・ローエとフィリッフ・ジョンソンの共同設計により建築されました。

当時、シーグラム社長サミュエル・ブロンフマンが、計画に際し、ニューヨークの建築家に一任していました。

しかし、その計画案は法律に基づき、上層階に行くほど壁面のセットバックが多用される周囲の建物と代わり映えしないものでした。

これに異を唱えたのが娘のフィリス・ブロンフマン・ランバートです。

イエール大学で建築学を学んだ後、欧州に滞在中だったランバートは、この計画を知ると父親に計画の保留を訴え、後に新社屋の企画責任者として計画の全行程を取り仕切ることになるのでした。

そして、数ヶ月の探索の間に、「現代を洞察して技術を詩にまで高めた人物こそミース・ファン・デル・ローエである」と結論を出します。

ビルの設計

当時、ニューヨーク州で建築家として登録していなかったミースは、このビルためにフィリップ・ジョンソンに協力を要請します。

60年以上の歴史がある38階建ては、アメリカ合衆国国家歴史登録財に指定されています。

1961年に、ニューヨークの地域指定条例として、建築規制を変えさせたのもこの建物だそうです。

内部は中壁のないフロアが続く当時の最先端で、外観は鉄骨とガラスのカーテンウォールで造られいて、現在のオフィスビルの原型となっています。

周りに新しい高層ビルがたくさん建っても、黒くて重厚なプロンズ像のようです。

ミースは、「ビルの外観に完璧な規則正しさを求めた」ということで、各部屋ごとのプラインドの高さを開ける、半開、閉めるといった3段階でしか調節できないものにしたそうです。

エントランス周囲の軒天が、モザイクタイルで出来ているため、地面からの光の反射により、暗褐色のフレームやガラスも重みを増すアートの世界です。

すべてはミースの計算だったに違いありません。

シーグラム・ビルディングは、光を受ける一瞬があるため、完成するのかもしれませんが、それ自体の美しさという背景があるので、長い間、街の記憶にとどまりつづけているのだと思います。

いまでは、「なぜここが観光名所になっているのか」と問う人もいるようですが、スマホを活用すれば、その疑問はすぐに解決することでしょう。

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