いつもありがとうございます。【必要の場をツクル設計事務所】-長尾アトリエ の 長尾 です。
材料ではなく技術の側
20世紀初頭の大きな転換期。その中心にあった出来事が"モダニズム"です。
その影響は、"あらゆる芸術"の"見え方・接し方"に大きな変化をもたらしました。
その中に例外がひとつあります。
米国の美術評論家の"グリーンバーグ"によると、芸術の分野では"伝統を継承"したにも関わらず、建築だけは、鉄、硝子、コンクリートの登場により、"媒体"自体が変わり、モダニズム"建築"は伝統と闘い、新しい伝統を開始しようとした。とのことです。
今回の東京五輪で、新国立競技場を手がける"隈研吾"さん。
昔、隈さんが"安藤忠雄"さんの手がける建築に対し、秘儀は"コンクリートのディテール"にあると評していました。
つまり、現代の建築も、20世紀転換期の"延長上"にある。ということなのです。
コンクリート打放しで有名な安藤さん。コンクリートの使い方を、それ以前より"突き詰めた"。ということなのだと思います。。
それに対し、21世紀は"木"と、コトあるごとに"発信"している隈さん。鉄、木、ガラス。。ということだと思います。
もちろん、石、プラスチックなど、常識では考えられない材料も扱っている隈さんですが、一貫して、"透過(気配=日本文化)空間"="木(石、プラスチック)"があるように思います。
いずれにしても、"媒体"と"技術"が一体となって登場したモダニズム。
- 平行定規を使っての作図
- スチレンボードでの模型作成
- 3Dモデリングによる表現
- 3Dプリンターによる模型製作
と、技術を手助けする道具もどんどん"進化"しています。
いま、日本の建築ニーズは、"ハード(硬い箱)"から"ソフト(使い方)"に移行中です。
そんなストック型社会にとっての、(さらに次の)モダニズム(イノベーション)は、どうやら"媒体(材料)"の側ではなくIT"技術(ヒト)"のほうにヒントがありそうです。
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