いつもありがとうございます。【必要の場をツクル設計事務所】-長尾アトリエ の 長尾 です。
SDGsの目標12
化石燃料である"原油"からつくられるプラスチック。
紙のストローが普及し始め、2020年7月からは"レジ袋"が有料になりました。
どのくらいの消費者が、自然に還ることのないプラスチックごみに対して課題意識をもっているかは分かりませんが、考えやすくなったのは確かだと思います。
一方、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、フェイスシールドやテイクアウト用食品容器、オンラインショッピングの配送用緩衝材など、いままでとは異なる状況で、プラスチックごみが増えたのも事実です。
しかし、 SDGsの目標12の「つくる責任、つかう責任」にも掲げられているように、プラスチックごみは、地球の課題となりました。
現在、世界中から海へ流出するプラスチックごみは、年間約800万トンとされ、30年後には、海中に生息する"魚の重量"を"プラスチックごみの重量"が超えるとされています。
それほど遠くない未来に、枯渇することが分かっている"化石燃料"や、その燃料を利用してつくられたプラスチックによる危機をどのように受け止めれば良いのか?
レジ袋は海の生物にとって有害
まず最初に、様々なプラスチック製品の中から、なぜレジ袋が有料化になったのか?
理由のひとつが"生活に必須ではない"、無くても困らないということです。
このため、個人の意識の仕方によって確実に使用を減らすことができ、行政が実行しやすかったという背景があるようです。
そして、脱プラスチックに舵を取り始めた最大の理由は、海の生物へ与える影響が大きいためです。
2019年、地中海に面するギリシャの海岸に打ち上げられたクジラ30頭あまりのうち、4分の1頭の胃からプラスチックが発見され、その中でも多かったのが"レジ袋"だったそうです。
そして、そのうちの3頭は、レジ袋に"腸を塞がれた"ことが死因であるとされています。
さらに、薄く軽いので、風で遠くまで運ばれやすい上に、紫外線と波の力で細片化されやすく、簡単ににマイクロプラスチックになるそうです。
また、レジ袋は、ポリエチレンという物質からつくられているために、海中の有害な化学物質をくっつける力が強く、有害なマイクロプラスチックが増え続けることにつながっています。
東京湾のマイクロプラスチック
東京湾で捕れた数十匹の"カタクチイワシ"消化管を調べた結果、70%以上からマイクロプラスチックが検出され、そのほとんどは1ミリ前後のものだったそうです。
カタクチイワシの体長が10cm前後であることを考えると、体長の"100分の1"サイズの有害な異物が体内に取り込まれているということになります。
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